YasutakaOtsuka

ロブスターのYasutakaOtsukaのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
4.3
コペンハーゲンに戻り、1週間、やっとバイトを見つけた。結局二度目のトライアルを受けてバイトに受かった。本当にステキな人と出会うことが多い。思ったこと、チャンスは2度やってくる。それはロスキレフェスでも感じた。

シェアハウスのワイファイがなぜか機能しないのでダウンロードしたもののなかからロブスターを観た。

人はこうしなければならないという枠組みの中にいるときは嘘をついてでもそっちを目指そうとするが、真逆の枠組みにいるときは自然とそうなっていってしまうという気がした。この作品に関して言えば、恋愛関係の人を見つけなければいけない世界と、シングルでいなければいけない世界。シングルの世界に移ってから共通点を探していく作業がおもしろかった。共通点なんて関係ないんだけどね、あるとより近づけるから前の世界では重要視されてたよね。でも愛が強すぎても、共通点を作ろうとしてた。それは本当に愛なのか。違うものも認めあって助け合ったほうがよりよく生きていける気がする。愛ゆえにふたりとも視力をなくしたら、どうやって生きていくのか。ましてや、逃げ出した世界にいるのに。それに、視力をなくして戻れるのか。

ラストは描かれていなかったけど。彼と彼女は本当に愛し合っていたとおもうけど、自分の視力を失う作業を自分でしてまで、彼女と近づこうとしても、その恐怖から逃げ出してしまうかもしれないし、もしくは、また合流できないかもしれない。ラストは描かなくても同じなのかもしれない。ただなにを選択して彼がそこに至るのか。

いや、たどりつけるのかもしれない。二人にしかわからない世界に。他の感覚を研ぎ澄まして。ジェスチャーだけで会話していたときのように。
YasutakaOtsuka

YasutakaOtsuka