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人生タクシーのpommeのネタバレレビュー・内容・結末

人生タクシー(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

反体制というロックな精神を持った監督のドキュメンタリー風映画。
反体制運動の宣伝をしたとかでイラン政府から20年間映画制作禁止令を受けているパナヒ監督。それでも『これは映画ではない』等の作品を発表してきた。
「映画こそが私の表現であり、人生の意味だ。何者も私が映画を作るのを止める事はできない。」と語る監督。
この映画を観るまで、イランでは映画制作にあたって検閲をクリアしないと制作・上映ができないということを知らなかった。作中、授業で映画を撮るという姪が、上映可能な映画について話していた。現実で起こっていることなのに映画にしてはいけないとか、ネクタイをしてる人は善人ではないとか、子供からも変だと思われている。そんな社会の矛盾。ガチガチな規制は全部政府のためなんだろうな。
でもその規制をくぐり抜けようと工夫を凝らすことで生まれる素晴らしい芸術もある。かつてのヘイズコードのようなものが今のイラン映画にもあるのかもしれないと思った。

そんな反骨精神を持った監督がこんなに穏やかで優しい笑顔をうかべているところに、少し希望が持てた。それからおしゃべりでませてる姪もかわいかった
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