うらぬす

母の残像のうらぬすのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
4.2
複雑極まりない家族間の感情の機微を、冷たい映像と控えめな量の会話で以てややサスペンスフルに表現するこの手法が自分にはかなり刺さった。ここぞという場面で美しくもある意味残酷なスローモーションを用いたり、イザベル・ユペールの顔を接写してみたりする工夫の数々にも知的なものを感じて堪らなかった。
「ラース・フォン・トリアーの甥」という言葉で注目を集める必要のないほどの作家性と力量が、この監督にはすでに備わっていると思う。