れいん

この世界の片隅にのれいんのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
3.5
戦争映画って、悲しい、残酷、厳しい、死、生、がすごくて感情とか揺さぶられて辛くてあまりみたくないなぁって思っていたんですが、この映画は戦争のなかでもどうやって日々暮らしていて、どういった工夫をしてなにを考えてどんな会話をして生きていたのかを表現していて、悲しいんだけど悲しいだけじゃない戦争時の生活を知られる良いきっかけになった映画でした。
確かに、知りようともしなかったなぁって気づきました。
柔らかい優しい絵と色使いだからか、主人公とそれを取り巻く人たちのせいなのか終始フワンとした気持ちになりながら観ていました。もちろん、それだけじゃないんですが。
あの頃に生きていた人たちはこれが普通で、こんな生活が長く続いていたのかと思うとこの時代に生きれている自分達はなんて生温いんだろう、そのくせ文句ばかりで、自分の生活を振り返りながらどうにかしなきゃな……って思いました。
食事を作るのも、服を着るのも、無いのなら無いなりに卑屈にもならずにこなしていくすずの姿にただ感心するばかりでした。
もっと楽しく今あるものを大切にして1日生きなきゃ損してるなって自分のこと殴りたくなりました。
一つ、気になる点があったのですがそれさえなければ良い映画だったと思います。私が母親だからか、その当時の悲惨さやそのときの人たちの感情に寄り添えと言われても完全に出きることではないので難しいですが、いまの私には疑問に感じてしまうのでそこだけが強く違和感に感じてしまい残念です。
旦那さんに聞いてみたら、その頃はそれが当たり前だったはずだから特に何とも思わないと言われたので、きっと私だけが拘る部分だと思いました。
私はこの映画、好きです。
れいん

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