みどり

湯を沸かすほどの熱い愛のみどりのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
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2021/1/14

お母ちゃんは断然赤!
情熱の赤色が好き

銭湯を営む幸野家
しかし父は一年ほど前にふらっと出て行ったっきり
銭湯は休業中


突然余命宣告され、残り3ヶ月の命
どうやって生きていこうか

自分の命が残り少ないと分かった時
あなたならどうしますか?

普通なら自分のことをいちばんに考えそうだけど母は違う

夫を探して銭湯を再開させる
娘をいじめと向き合わせる
ある人と娘を会わせる

そのほかにもたくさん
母、双葉のやりたいことは
もちろん自分のことも含まれているけれど
家族のことがとても多い
何事に対してもしっかりと向き合っていく

3人で旅行に行った際
ヒッチハイクをしている青年に
車に乗せてほしいと言われる
目的地はどこ?
そう尋ねると
目的とか目標って決めたらそこに向かわなきゃいけなくなるでしょ

双葉は彼に目標を与える

これも自分の死期が近くなかったら
きっと気にならなかったのでは、と思ってしまった

いじめにあっている娘、安澄
学校に行きたくないと言えばなんとしてでも行かせようと
どうにかして向き合わせようとする母
ある人に会わせるために今までさせてきたことを知ると涙が溢れる

全部全部 娘や家族、そして周りの人のために
全身全霊を注いできた母のことを思うと
胸がいっぱいになる


家族にもいろんな形があるけれど
私はこういう家族の形があってもいいと思うなあ…
ラストは好き嫌い分かれそうでもありますが…


中野監督の浅田家、長いお別れ、そして本作と見てきましたが
いつも家族のことを深く考える良いきっかけをくださるし
周りの人にもまっすぐに、真摯に向き合って
できるならば悔いなく伝えていきたいと思ってしまう
与えた分すべてが返ってくる、とは思っていないけど
間違いなく双葉の行動によって
向かっていく方向が定まった人もいるのだから
こういう人には人は集まってくるんだなあ


涙なしには見れません
監督の作品はいつもべしょべしょに泣いてしまいます
みどり

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