ふうこ

湯を沸かすほどの熱い愛のふうこのネタバレレビュー・内容・結末

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

なんでこんなに高評価なのーーー。
この映画がすきな方、ごめんなさい。私にはサッパリ。ううん、それを通り越して、憤りの念を覚えてしまいました。ここまで拒否反応を起こした映画ははじめてです。今まで観た中で間違いなく、ワーストワンです。


* 以下、「憤り」感満載の感想です。
本作がお好きな方、気分を悪くさせてしまいましたらすみません…。


すべてがお母ちゃんの、お母ちゃん自身のためだけの、心の整理に見えてしまいました。気持ちは分かります。余命いくばくもない自分と、あまりに多くの問題を孕んだ周囲の状況。多少強引にでも、亡くなる前に「整理」しておきたいのは母の心理なんだと思います。ただ、お母ちゃんの独善的であまりに強引なやり方に、それは違うんじゃないかと。お母ちゃん自身の、言ってしまえば安心感のために、愛だの勇気だのという正論を暴力的にふりかざす様が、観ていてとても不快でした。私が「お母ちゃんの愛」を理解できなかっただけでしょうか。私自身の母の、包み込むような愛とのギャップを受け容れられなかっただけ…?どうしても、愛よりもエゴを、感じてしまいました。
お母ちゃん、「正論」は時として人を潰してしまうことだってあると、私は思う。どうか弱さを頭ごなしに否定しないでほしい、、

そして、どの問題も根本的には解決されていないような、、。まるで「感動の装飾」のために寄せ集められたかのような、唐突で尻切れとんぼな「感動シーン」の数々。登場人物たちそれぞれが抱える問題の深さと重さが、その軽い描き方や短絡的な解決方法と全然釣り合っていません。ここも不快でした。特にいじめに立ち向かうシーン。え、それでいいの!?余計に事態が悪化しちゃうでしょう…

ほかにも、モラル的な面での引っかかりをスルーできない箇所がわんさか。ラストも正直狂気を感じてゾッとしました。もしや…と予想はついていたけれど、まさかほんとにしちゃうとは。

これほど「泣ける」との高評価が連なる中、そして私自身も、批判を並べ立てておきながら所々でぼろぼろ泣いてしまったのですが(苦笑)、あえて言いたい。声を大にして言いたい。

泣ければ良い映画、というわけではないのでは?

とにかく「どうだ!泣け!感動しろ!」という製作側の軽薄さが透けて見えてしまった気分です。

ただ、最後に。他の低評価の方もおっしゃっているように、役者さん方の熱量と演技力はみなさん本当に素晴らしかった!彼らにつられて、思わず涙が溢れてしまいました。そこには拍手を贈りたいです!
ふうこ

ふうこ