またたび

顔のないヒトラーたちのまたたびのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
4.5
ナチスの事はほんの少しですが勉強したつもりになってましたが…、メンゲレの事は正直驚きました。
てっきりニュルンベルク裁判で裁かれ、死刑になってるとばかり思っていたから…。

戦後13年。
忌まわしいナチの記憶を殆どの国民が葬り去ろうとしていた頃のお話。
多分…ドイツの主要都市は爆撃で殆ど廃墟と化していた筈なのに、復興した街並みの美しさに驚きました。
人々の生活も豊かそうでした。
終戦前に生まれた若い人達が、アウシュビッツ強制収容所についてほとんど知らない、と言う事に一番衝撃を受けた気がします。


とても重く、辛い内容でした。
これからいよいよ悪を裁くのか?というところで……え???💦

エンドロールのテロップがこれまたずし〜んと重くのしかかります。


アウシュビッツ収容所の周りに住んでいた人達が、煙や異臭でその中で何が起きているか薄々分かっていたけれど、何も出来なかった、いや、知らないふりをしていた、という事を以前何かのドキュメンタリーで見ました。
連合国軍がアウシュビッツを開放した時、周りの住民に遺体の埋葬処理を手伝わせている衝撃的な映像も見ました。
でも、今だからこれほどの残虐行為が行われていた事を、例え一部だとしても知る事が出来る訳で…。

何だかいろいろ思う事が多くて、上手く文章に出来ません😞

収容所の生還者が重い口を開いて行く場面、あのタイプを打つ女性の表情でどれ程酷いものなのか想像出来る演出は凄いなと思いました。


どんどん洗練され、デザイナーとして成功して行く彼女の姿が数少ない救いでした😢
ファッションもとてもお洒落で素敵だった。
破れた背広にかけた二人の関係の描き方も良かったです。

とても重い内容ですが、見応えのある良作です。
ぜひ一人でも多くの方に見ていただきたい作品です!
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