コゼン

ポプラの秋のコゼンのネタバレレビュー・内容・結末

ポプラの秋(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

退屈も無く一応最後まで見ることが出来た。一応。
前半は星野千秋(本田望結)出ずっぱりで進む。千秋とポプラ荘の住人との交流がメインで舞台もほぼポプラ荘のみ。学校や母娘シーンは極めて少ない。前半に「大人になった千秋(村川絵梨)」がカットバックし、後半3/5を占めるオチ(村川パート)に向かっていくが割りと淡々としている。
 何故ポプラに魅了され此処に決めたのかってのも、象徴的に扱われて印象的かってのも薄い。千秋が熱でふらついてポプラに倒れ掛かった斜めの構図とラストのポプラを見上げる母娘の引き画のショットは良かったけれど、冒頭の大事な「此処に居場所・拠り所を決める」ってポプラに出会うシーンが残念。
 キーポイントの古い和ダンスの引き出し(黒塗りに金の装飾は昭和調ではなく江戸調でしかも庶民的ではなく大名風)はイメージこれでイイのかな。大家さん(中村玉緒)のセリフ「見たら私の変わりにアンタが手紙を持って行くことに成るんやよ」、引き出しがいっぱいになるまでは死ねない=いっぱいになったら死んじゃうってのはきちんと繰り返し印象に残るように描かれていた。もっと最後の大オチである父の自殺について引き立たせるために住人(藤田朋子・宮川一朗太)との交流は後半にとって置いて程ほどにし、前半は父と母の印象を前振りで残す工夫が有った方がイイのかも(前半の住人との交流が後半に効いてくると踏んだんであろうがイマイチ)。ばあさんの葬儀で棺桶が手紙で一杯なのは良い演出だったが、通夜の夜の一旦慰問者達が居なくなった婆さん宅が、美術としてその雰囲気では無い、ただ喪服着てるってだけで演出下手。千秋の母が娘に対し「お父さん側の子だと思ってるから」と内緒にしていた吐露は(原作どおりなのか仕方ないが)あまり良くない。幼い子に隠している言い訳としては変な内容と感じた。
 ロケ地(岐阜・飛騨高山)J-COMテレビ放映2023_12_2
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