実母とはぐれて以来里親に引き取られては家出を繰り返し五人の少年少女が暮らすグループホーム入りしたビリー。後継者求め面接を繰返す魔法使いから「シャザム」の声でのヒーロー変身能力を得た彼が、同居人フレディと能力試しに夢中になる中、かつて面接落ちした恨みから悪魔の力を得たサデウスに狙われる様を描くヒーロー映画です。
立ち上がりの不調で存続の危機に晒されながら『ワンダーウーマン』『アクアマン』とヒーローらしい溌剌さの単独作品で息を吹き返したDCEUのシリーズ第七弾で、ファンタジー色の濃い物語であることから監督にホラー畑で特殊映像に強いデヴィッド・F・サンドバーグを採用してシリーズでは初となるティーンエイジヒーローを盛り立てます。
少年が主人公という事もあってDCEUでは際立って明るい作風でヒーローなりたて少年の浮かれっぷりをコミカルに表現します。お話は小ぶりで子供向けではあっても、ヒーローとヴィランが元は同じ境遇ながら「分け与える」と「独り占め」の対比で正義と悪を表現する物語もよく考えられていて、少年漫画的世界観を存分に活かした一作です。
