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BOYS/ボーイズのogのネタバレレビュー・内容・結末

BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

78分という短い映画だけど短さを感じさせない、瑞々しい少年たちの友情や恋や家族の物語だった。いろいろな要素がこの長さできっちり収まってるのもすごい。陸上部ふたりの恋の話なんだけど、彼のことが好きなのか悩んでいる最中のモヤモヤを、部屋で腕立て伏せや踏み台昇降などのトレーニングで発散させてるの、まさに陸上部って感じで良かった。
主人公シーヘルとマークのキスの描写と構図、はじめて見たな〜!水の中に横たわる倒木?を間に挟んで向かい合って、本当にふとキスしてしまったって感じで、ふと近づいたのが自然だった。それを頭上から撮ってるのがそこはかとなくセクシー。川だか海だか湖だか、水がきれいじゃないのがちょっと衛生的に怖かったけど…笑
マークの家での7歳の妹と遊ぶシーンとトランポリンのシーンがよかったなぁ。男の子ふたりのこんなふわんふわんした幸せに満ちたトランポリン、ほかでは見たことないよなぁ。リレーの選手で常に体を鍛えてる設定だからこそできた描写だよな。ここのふたり、このまま空に飛んでいってしまいそうなくらい浮かれてるのがよくわかってかわいかった。アイスの屋台を出してきてお店屋さんごっこしてるのもかわいい。

この映画に出てくる人みんなよかったんだけど、その中でもシーヘルの兄エディと、親友のステフがとってもよかったな。
兄と弟、兄と父親の関係が決まりきってなくてあやふやなのも良かったな。兄は母親が交通事故で亡くなった(と映画ではっきり言ってはいないけど)ことから陸上をやめてグレちゃってる(仕事もろくに行ってない)けど、弟と父の日のプレゼントのお金を出し合ったり、朝食を用意してベッドに持っていってそのままベッドで父と戯れ合ったりする。関係を修復しようとしたり、自覚はなくともダメにしようとしたり。兄弟の関係も、近づいたり遠のいたりする。弟は兄のことが心配でどうしてもほっとけない。兄は兄で普段鬱陶しがってるのにちゃんと父と二人で弟の陸上大会を応援しに行くし、なんやかんや離れ難くて大切にしたい家族だと思ってるのが伝わってきた。とくに兄弟の関係がリアルで、私は妹側なのでシーヘルの気持ちがよくわかった。

親友のステフは大会後、「マークとお前、」とおそらく二人の関係に言及しかけて「マークとお前、うまくいったよな。息が合ってた」と大会の話に言い直すの、ものすごい気遣いと優しさを感じたんだよな。おそらく合宿の夜にふたりで部屋を抜け出したあたりで何となく察していたんだろうけど、親友だからと言ってなんでも踏み込んで話せるわけじゃないことをステフはわかってて、でも応援するつもりもあって、皆でお祝いしてる最中にいてもたってもいられなくなるシーヘルを目線と表情で後押しする。あの表情、祝福と激励に満ちててすごく良かった。
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