【美神ビフォーアフター】
アマプラで出てきたので。昨年までパリ・オペラ座で舞踏監督をつとめていた、オーレリー・デュポンのダンサー現役時代2006〜2009を追ったドキュメンタリー。
ラフな仕上がりで、被写体との間に緊張感はあまり、走らないですが、被写体そのものが価値アリアリなので、このように見られるだけで、ある程度満足してしまう。
オーレリーさんは、来日時の生舞台を何度か見ていますが、優等生的な王道感がありました。個性でいうと他のダンサーが思い浮かびますが、こういう人だから、ホームグラウンドの舞踏監督がつとまるのだろう、と素人ながらの納得感があります。
本作は、ビフォーアフターをわかりやすく編集してある点がよかった。10代バレエ学校時代と現在を比べたり、リハーサル当初と完成舞台を比べたり。どう磨かれたかよくわかる。
演目に依るでしょうが、クラシックに比べてコンテンポラリーは、リハで一部の動きだけ見ても訳わからんですね。美には程遠いし。…なのに完成品は、見事に美しく仕上がっている。すんごい工程の中、職人技で磨き込まれているのでしょう。
…と唸らせるビフォーアフター、この演出で正解でした。
“修行”と呼べる毎日の繰り返しが、キチンと記されているのもよかったです。やはり世界のトップは、それだけの積み重ねをしているよね!
本作、元々はTV向け?ただ、この58分?版とは別の、長尺版があるようですね。
監督は劇映画の人だと後から知った。マリインスキー所属だったエフゲーニャ・オブラスツォーワが女優で出ている『ロシアン・ドールズ』は見ていたが、エフゲーニャちゃんでバレエ慣れしているから本作の監督に選ばれた、てコトでもないのでしょうね。
オーレリーさんクラスなら、ベテラン監督が出張るのも納得。この後、オーレリー引退公演の「マノン」も撮っているんだね。今後、機会があればそちらも、見てみたい。
<2023.6.3記>