ディアッカ

スパイダーマン:ホームカミングのディアッカのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

短い期間でサム・ライミ、アメイジング、ホームカミングとリブートを繰り返し、流石にそろそろネタも尽きたとタカをくくっていたところにとんでもない爆弾が降って来る。それが本作ホームカミング。
リ・リブート一作目の本作ではあるが、スパイダーマン自体はキャプテンアメリカシビルウォーでの登場が初であり、事実上1.1話のような構成である。
これまでの作品にくらべ、ピーターパーカーがスパイダーマンになるまでの掘り下げは深くないので、一限様はキャラの関係性等々でわからないところも出て来るかもしれないが、多少の細かいところは吹き飛ばせるくらいのストーリーの濃さとアクションのパワフルさを持っているからこの映画はヤバい。
歴代スパイダーマンの中でも最も若く、最も調子に乗りやすい性格であるため、トニースタークに認められようとするあまり、力を誇示しようとして自滅、周囲の人間を危険に晒してしまう展開が二度続き、ヒーロー失格の烙印を押され、ハイテクスーツを没取されるわけだが、そこからの普通のティーンエイジャーに戻ってからの展開が個人的にとても好き。
ある種、本当のピーターパーカーを取り戻し、ついには意中のリズとパーティの約束を取り付けるまでに至り、ウッキウキでリズの家に迎えにいくも、扉を開けた先にリズの父親として待っていたのは、宿敵ヴァルチャーだった。というストーリー展開は、想像だにしなかったため、それまでの明るい展開との落差に、マイケル・キートンの顔を見た時のトム・ホランドと全く同じ顔をしたまま、震えが止まらなかった。
マイケルキートンの演技力には感嘆させられるばかりで、特にパーティ会場までに向かう車中の中で繰り広げられるピーターパーカーの正体を少しずつ紐解いていく時の表情演技が絶妙。父親の表情から、徐々に悪の親玉の表情に移り変わり行く様は、このシーンだけ切り取ればアカデミー取れるんじゃないかというくらい。
クライマックスから繰り広げられるピーターパーカーのヒーローとしての真価を問われるバトルシーンでは、まさかのトニースターク製スーツは使用せず、パーカーとスウェットと目出し帽というまさしく素の自分で最後まで戦うという、どこまでもアツくさせる演出に時を忘れてのめり込める。
また、本作の裏テーマには、ガーディアンvol2と同様に「父性」があると思っていて、ヴァルチャーの関係性はもちろん、世界クソ男選手権No1筆頭だった「あの」トニースタークが、ピーターパーカーに接するときの有り様は、時に子を叱り、たしなめ、導くまさしく「父親」そのものであり、その尊さから、ほんま監督ありがとう、脚本ありがとう。と涙を流すまである。
もちろんコメディリリーフ的な側面はどんなにシリアスなシーンでもぶっこんでくるので、時に笑い、時に燃え、時に泣ける最強・最高の映画であることは間違いない。8月11日現在、2017年公開映画ぶっちぎりのトップ。
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