横須賀アット

スパイダーマン:ホームカミングの横須賀アットのレビュー・感想・評価

4.5
善悪とは何なんでしょうか?

何を思って善であり、何を思って悪であるのか?

その区別は曖昧であり表裏一体である。

あえて言うのであれば、その時代的価値観によって善と悪が産まれるのだろう。

今回のヴィランであるヴァルチャーもその時代の価値観によって悪の道を進んでしまったのだろう。
家族や同僚を守るために進んだ道。真っ当であるが、武器を広めるなどの不徳を働く。しかし、トニーも武器商人として人の死を間接的に生み出すが、トニーは正義という倫理を捨てなかった。

けれど、その時代の価値観が違えばトニーもまた、悪であったのだろう。

他のヒーロー達もそうだろう。
戦場を駆け回ったキャップ、暴走マッスルハルク、盗人であるアントマンなどなど、過去の過ちから、どちらに転んでも可笑しくはない存在ばかり。

そして、今作のスパイダーマンであるピーターは最初からヒーローとは何かを模索し、それを体現しようとしている。
正義としての善を行う姿は正に『真っ白』な存在。

けれど、それは脆く、危険な存在である。
善と悪でバランスをとる秤の上に立っているように、どちらにも転んでも可笑しくはないと、トニーは思ってしまうからこそ、過保護になってしまうのだろう。

だからこそ、善と悪の答えを出すためにヴァルチャーというトニーと相反する存在と対峙する事になったのだろう。