横須賀アット

ジョーカーの横須賀アットのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0
ジョーカー観終えた。


これは世界に対する劇薬だ。


一度、味わってしまったら心を焚き付けられてしまう。

燻る火種にそっと紙屑を投げ、それがみるみると膨らみ取り返しがつかなくなってしまう。

悲劇と喜劇は二律背反、対極図の様に一心同体である。
それを悲劇と取るか喜劇と取るかは観る側に委ねられる。けれど、そのバランスが崩れると綻びが亀裂となり傷となる。

社会情勢が悪化するなか、現代にジョーカーを産み出してしまう事の危うさ、恐ろしさ。けれど、世界が歪み不満を生む。その鬱憤を吐き出す何かを世界がどこか望んでしまう様な、そんな恐ろしさを感じてしまう。まさに、それこそがこの作品の劇薬たる側面だろう。

危ない、危なすぎる。しかし、傑作である。