ジョーカー観終えた。
これは世界に対する劇薬だ。
一度、味わってしまったら心を焚き付けられてしまう。
燻る火種にそっと紙屑を投げ、それがみるみると膨らみ取り返しがつかなくなってしまう。
悲劇と喜劇は二律背反、対極図の様に一心同体である。
それを悲劇と取るか喜劇と取るかは観る側に委ねられる。けれど、そのバランスが崩れると綻びが亀裂となり傷となる。
社会情勢が悪化するなか、現代にジョーカーを産み出してしまう事の危うさ、恐ろしさ。けれど、世界が歪み不満を生む。その鬱憤を吐き出す何かを世界がどこか望んでしまう様な、そんな恐ろしさを感じてしまう。まさに、それこそがこの作品の劇薬たる側面だろう。
危ない、危なすぎる。しかし、傑作である。