横須賀アット

ジョン・F・ドノヴァンの死と生の横須賀アットのレビュー・感想・評価

3.9
ドラン監督の作品は初です。

何故、タイトルが『生と死』ではなく『死と生』なのか。

やはり、ジョンの幼少気はルパートと通じる物が多かったのかのだろう。

家族との関係や誰かを気遣い、真実を口にすることができなかった事、誰かを恥じず自分を恥じて生きていたこと。

その時、ルパートの手紙と出会い、自分と似ている事に共感を覚えたのだろう。

では何故、ルパートに真実を話したのか。

ジョンにとってルパートはある日の幼い自分に宛てた手紙だったのだろう。
ジョンにとってルパートとの手紙は自分への贖罪の様な感じに受け取れました。

そして、その手紙を受け取ったルパートは少しずつ変わることが出来ていった。もし、あの手紙がなければルパートはジョンの様になっていったのかもしれない。
母との隔たりから家を飛び出し俳優になりスターになったのかもしれない。けれど、孤独であった。
 
ジョンの死はルパートの生へと受け継がれたのである。

孤独であったジョンだけれども、ルパートにとっては紛れもないヒーローなのだろう。