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劇場版 弱虫ペダルのkanacoのレビュー・感想・評価

劇場版 弱虫ペダル(2015年製作の映画)
3.5
漫画原作、オタク少年が自転車競技大会で熱い戦いを繰り広げる青春スポーツ系。映画オリジナル脚本であると同時にアニメのダイジェストみたいな作品で、エキシビションレース感があり軽い。キャラたちは個性豊かで楽しく、全員が自転車ロードレースに対してひたむきである。その爽やかさが気持ち良い。(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

原作漫画は主人公が一年生時のインターハイ終了まで。
アニメは二年生時のインターハイ前の合宿まで鑑賞済。

千葉から秋葉原まで自転車で通うオタク少年・小野田坂道が、ひょんなことから自転車競技部に入部することになる。仲間たちと共に自転車ロードレースに挑戦し、ライバルたちと熱い戦いを繰り広げる青春スポーツもの。

映画館で見た時は、アニメ第二期を見終えて日が浅い時期だったため、書下ろしストーリーだし大会名も違うし新しいキャラも出てくるが、話の展開もキャラの技の出し時もアニメと一緒だったので、ダイジェストを見ている気持ちでちょっと冷め気味だった。「新しい話って言っていいの、これ??」と疑問視ながら見た思い出。

映画自体の印象より、二つ隣の席にいた熱心なファンと思われる女の子の事の方が、よく覚えている。当時、映画館に行くと先着順でキャラクターのグッズがもらえた。上映前に彼女はチケットと共に配布された袋を開けて中を確認し箱根学園の荒北靖友が当たったらしく、感激しすぎて小さく悲鳴を上げた。「箱学好きなんだなぁ」と思いながら開けたら私は東堂尽八。グッズを集めるようなタイプではないし、でもけっこう人気キャラ当たったし、どうしようかなと思い、上映が終わった後に彼女を追いかけて行って(怪しい笑)、事情を話してプレゼントした。二度目の悲鳴を上げつつ「(東堂さんが)まだ当たってなかった。人生で一番うれしいです!」と喜んでもらえて、あまりの彼女の勢いに気圧されながらも、善い行いをしたな~とほっこりした。そして、こういう、ランダムでもらえるような特典があると、ファンの人は大変だなぁと思った。

今回、サブスクで再鑑賞。時間が空きすぎて内容を忘れていたので、オリジナルであると同時にダイジェストであることが、結果としてちょうど良かった。正直、激闘のインターハイ後の、エキシビションレースみたいな感じで、軽い。明確にファンムービー。「あーそうそう。このキャラたちがこういう関係で、ここでそういう展開になって、そこでその技使って、この人が勝つのよ!」って懐かしく思いながら鑑賞。笑ってしまうような彼らの特殊技が使われる度に「いいぞ~!!やれやれ~」ってお祭り気分になる。

弱虫ペダルは、本当にキャラクターたちが個性豊かで楽しい。特に、キャラクターたちの縦ライン(先輩後輩)と横ライン(同級生)の関係性の描き方が、とても熱い作品だと思っていて、そこが好き。いわゆる「マリア様がみてる」の姉妹制度とか、MCUでいうとトニー・スタークとピーター・パーカーの関係のような、個人間での直属の師弟関係が割とはっきり決められている。先輩は偉大でしっかりと後輩を愛して引っ張ってくれて、後輩たちは素直に先輩憧れて一生懸命追いかけ、全員が自転車ロードレースに対してひたむきである。その爽やかさが気持ち良い。
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