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COP CAR コップ・カーのBew666のレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
3.8
久しぶりのレビュー。

題材はかなりシンプルですが、見ていてかなり引き込まれる作りの映画でした。

前半から中盤にかけては子供の視点で描かれており、面白いおもちゃを拾った子供たちが、何も気にせず遊びまわる様子は、「子供だなぁ」と思わせる、コメディ感を全面に押し出した作りになっているのがとても面白かったです。
特にパトカーを野原で走らせている様子は本当に楽しそうで、演技ぽく無いところが良かったです。

中盤から終盤にかけてはテイストが変わり、子供ながらに自分たちの行動の重さに気づいて、徐々に暗くなっていく表情や、口数が露骨に減り、事を上手く納めたいのに、その術がわからない事からくる焦りと怒り、先の見えない不安や恐怖など、じりじりと追い詰められていくサスペンスな作りになっていくのがとても上手いなと感じました。

また展開も一気に変わるのではなく、前半のコメディぽさの中にも、不穏な雰囲気を醸し出す様子が幾つもあるので、いつ大事に至るのかヒヤヒヤしながら見れるようになっているのも、作品に自然と入り込める要因として上手く働いています。

1番良かったのが、説明を極力省き、音楽や環境の変化、色など、視覚的情報から読み取らせようとしているところです。難しすぎるわけでもなく、適当に見ていても分かりにくい、そんな絶妙な塩梅を上手く付いているのが良かったです。

一つの映画の中で、ここまで変化させられるのは、やはり脚本と監督を兼任するワッツ監督の妙技だなと思いました。

エンディングを省けば、80分ぐらいで見れるので、疲れずに良質な映画を見たいという方にオススメです!

🙇🏻‍♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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