Torichock

COP CAR コップ・カーのTorichockのレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
4.3
「Cop Car/コップ・カー」

観ないわけにはいかない、ケビン・ベーコンのちょいワル保安官モノ。
ちょい、じゃねぇよ。

そもそも映画館が最高。
「狼の死刑宣告」の監視報告で、シアター内に革ジャンの男たちしかいなかったという、抱腹絶倒なリサーチを聞いていたのだが、同じベーコン臭のする映画、これはもしかして...とヒューマントラスト渋谷に入ってみると、、、




キターーーーー!

お、お、男しかないぞ!男だけで、ほぼ席が埋まってるぞ!アホか!大好きだぞ、お前ら!
その光景を目の当たりし、完全にニヤついていた僕は、隣の甲殻類昆虫のような目つきをしたお兄さんに軽〜く睨まれるというオマケ付きで鑑賞。


内容も言わずもがな、最高の言葉に尽きる。

少年たちの成長物語としての、正統派アナーキーなジュブナイル映画にさえ見える。
「MAD」よりも、ちょっとダーティーでソリッドな、次世代の「Stand By Me」でしょうか?
「MAD」についても書きたいのに、時間が追いつかない!!!!

また、アメリカの田舎ムービーとしても素敵。
今年の僕のトレンドですね、「It Follows」から始まる、アメリカの田舎ムービー。

本作はコロラド州の田舎風景。


でもね、奥さん。
田舎風景にシビれるっていうけれど、本作のシビれるのはそう、あいつでしょ。
僕たちのケビン・ベーコン。

焦って慌てふためくベーコン。
ガキを追い回すベーコン。
必死に嘘を取り繕うベーコン。
にっこりスマイルで乗り切ろうとするベーコン。
何種類ものベーコンが見れる、ベーコン映画。
このレビューだけで、予測変換トップを、ベーコンに出来るベーコン映画。
いろんなベーコンが、最高にクールでファニー。
特筆すべきは、

ベーコン・ラン
ベーコン・オープナー

の2点である。

ちょっとだけヨレたタンクトップ姿で、57歳になって少しガタついた体に鞭を打って、誰もいない田舎をフルダッシュするベーコンが、たまらない。
なんというか...

ギアを軽くしすぎた自転車わかります?
あれって、めっちゃ速く漕げるけど、ギアが軽すぎるから全然推進しない。
足はめっちゃ速く漕いでるのに、進むスピードと釣り合いが取れてないというか。
それめっちゃ笑えるんですけど、この"ベーコン・ラン"もそれに似た雰囲気があるというか。
ベーコンの顔も超必死、腕も振ってるしモモも上がってる、のに、それほど速くないというギャグ、とまではいかないんだけど、そんな愛おしいシーンがたまらない。

ベーコン・オープナー

は、少しだけ空いた車の窓から、輪っかを作った靴紐を垂らして、車のドアロックを外すという、ボーイスカウト的クレーンゲームみたいなことを指す。
あんなに必死こいて走ったり、慌てたり、焦ったりしてるのに、このシーンではもったいつけてずーっと、このアクションをやってる。
ベーコンの服装と、紐を垂らす時の、少し鼻を伸ばして先を見るベーコンの表情とか、もうたまらんです。
しかも何回か失敗するし!失敗して、"ウゥーーー!!"みたいにイラついてるし!


こんなの笑わない人間いますか?

えっ、ケビン・ベーコンを知らない?

えっ、っていうかケビン・ベーコンがよく見えない??


おい、、、、


それは

「インビジブル」だよ!!!!
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