ひのらんげ

ザ・サークルのひのらんげのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.0
秘密にするということと嘘をつくことは同義である。これは本当か。オープンであること縛りの盲目。恐怖映画。

超巨大で国の権力までをも掌握しようとするSNS企業「サークル」。つまらない仕事に辟易とした毎日に、夢にまで見たその「サークル」での仕事が決まった彼女。

「サークル」は、全てをオープンにすることを推し進め、「全て」が見守られる、または監視される世界を目指している。世界中のありとあらゆるところに取り付けられたのは監視カメラか、見守りカメラか。

「サークル」に陶酔した彼女は、ある事件をきっかけに、先進的な試みとして自分から、自分の全てを公開すると決めた。一体どうなるのか。

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情報をオープンにすることで、悪くなると予想される事態を単純化するとこうなるのかなぁ。

とにかくこの会社が気持ちが悪い。無茶苦茶気分が悪い。
私が、悪い意味で統制がとられた熱狂の集団が嫌いなのもあると思うけど、まあ、とにかくキモイ。
特に、理念にほだされて「"サークル"に罪はない。悪いのはツールとシステム」という彼女の自己弁護が一番気持ち悪かった。おえー。

もし、全員がプライバシーをオープンにして、瞬時に本音を意思表示できて、すぐさま処理できるとしたら。それが真の民主主義といえるのだろうか。
いや、人に見られても恥ずかしくない生活している人なんてひと握りだからさらに偏ると思う。民主主義の原理原則に近づくともろく崩壊する矛盾を感じました。

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トム・ハンクス、相変わらず好演です。狡猾でありながら間抜けな感じをよく表していました。
エマ・ワトソンは吹っ切れた感じですね。ぜひ悪役も見てみたい。

(Amazon Prime Video)
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