n0701

殿、利息でござる!のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

地方の財政状況はいつの世も厳しい。
その村は宿屋で成り立っていた。しかしその村全体が伝馬という仕事を役務としていた。
伝馬は殿への物資の運搬を村全体で補填するというものだった。つまり、役務の中心が物資の運搬となり、宿、その他本来の勤務が出来ないほどタダ働きをしていた。

この異常までの住民負担が村全体を苦しめており、次々に村を去る者が絶えなかった。
そこで立ち上がったのが、茶畑を営む男、そして長男にして養子に出された男。

二人は殿に金を貸し、その利息を伝馬代金に充てるという施策を思いつく。つまり、利息は手元には残らず、納めた税金の用途を予め指定するかのようなものだ。

かなり合理的ではあるが、出資者に旨味はない。全然ない。

だが、村の反映と産業の開拓には伝馬制度を改める以外に方法はなかった。いつの世も、制度そのものを変えることは難しい。金がないなら知恵を絞れ、だ。

そこで、出資者を募り、その思いの丈を殿の直属の部下にまで進言する。だが思い通りにはことは運ばない。財政担当は村人からの三億円近い金の出資を拒む。

長男でありながら養子に出された男の父親は、実は息子同様の伝馬撤廃の思いを抱き、金を作りながら死んでいったのであった。そして、養子に出されたのも、次男の体調が悪いからであり、本人の出来が悪いからであるとか、嫌われていたといったことは杞憂であった。

ともあれ、実のところ数十年にも渡る村人の思いを無下にも出来ず、その願いは叶うことになる。

殿は直々に村人と言葉を交わし、多くを出資した酒屋に酒そのものに銘を付ける。

かれこれそのようにして村全体が活気ある宿屋として蘇り、めでたしめでたしというわけである。



良くできているような、そうでもないような。変な話だ。
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