ポルりん

シン・エヴァンゲリオン劇場版のポルりんのレビュー・感想・評価

4.9
■ シン・エヴァンゲリオンを観るまで


1. 『新世紀エヴァンゲリオン』との出会い


始めての出会いは、私が小学生低学年の時。
当時は、ロボットアニメはつまらないものだと思ってた。(というか興味がなかった)


どういったキッカケかは忘れたが、親と一緒にレンタルビデオ店へ行った際、「新世紀エヴァンゲリオン」のVHS2巻(第参話、第四話を収録)をレンタル。


完全にドハマりしてしまい、VHS2巻を何度も繰り返し鑑賞。


以降、親とレンタルビデオ店へ行く度に「新世紀エヴァンゲリオン」を借りるように・・・。(その度に何度も繰り返し鑑賞)


当時の最新巻、VHS10巻(第拾九話、第弐拾話を収録)を鑑賞。(加持とミサトのSEXで終わり)


以降、VHS11巻(第弐拾壱話、第弐拾弐話)の発売まで1年以上待つことに・・・。


その後は、大体1ヵ月ごとに発売。


「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」にて、アスカの覚醒・ミサトさんの死に人生で初めて映画にて号泣した。


※「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」に関しては、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を鑑賞後、レビューする予定。




2. 観終わった後の虚無感



友人からはエヴァの最終回及び「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の最後に関して、怒りの声の方が圧倒的に多かったが、私としては「大好きなエヴァンゲリオンが終わってしまった」といった虚無感や絶望感の方が圧倒的に多かった。


以降、


・解説本や漫画、雑誌、ゲーム、ビデオなどを買い漁る。


・エヴァに出てくる声優の作品を手当たり次第に鑑賞する。


・エヴァに関する考察サイトなどを開設する。(現在は諸事情により閉鎖中)


といった行動をするが、虚無感や絶望感は埋められず。


※この時の行動がキッカケで読書・アニメ(特にロボットアニメ)・そして「スパロボ」が好きになった。


なんやかんらで、様々な友人との出会いや経験・成長・そして素晴らしい映画との出逢いによって、次第に虚無感や絶望感が消滅する。


※学生時何度かズル休みをした事があるが、全てエヴァに関するもの。




3. 新劇場版の発表


当時、進路や交際していた女性の裏切りに依り、失意のどん底に・・・。(今考えたら下らないことだが・・・。)


そんな折、ヱヴァンゲリヲン新劇場版の情報が私の耳に入って来る。


余りの歓喜に全ての悩みがぶっ飛び、



menoki「\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーッ!!!」



と、自室で雄叫びを上げた事を今でも覚えている。



その直後、父親に、


父親「うるせぇ!何時だと思ってんだ!!!!」


と、ブチギレられる・・・。


何にしても、この発表に依り『ヱヴァンゲリヲン新劇場版を全て観るまでは絶対に死ねない!!』といった生きる目的が出来た。



※発表当初は、「序」、「破」、「Q」、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」ではなく、「前編」、「中編」、「後編」、「完結編」であった。




4. 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を鑑賞


今なら色々と不満点があるが、公開当時はこれ以上ないレベルで最高だと思った。


・ラミエルでこの変わりようだから、ゼルエルはどう変わるんだ??

・なんだ、あのカヲル君の意味深な言葉は??

・もしかして、旧劇場版と世界繋がってるの??


など、色々と思う事があり、ヤフーレビューを見まくった。


今になって考えてみると、映画レビューや映画雑誌を見るようになったのは、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」がキッカケだったかも・・・。


鑑賞の翌日は、友人とエヴァ談義を泊まり込みで行った。


なんやかんらで、5回は劇場に足を運んで観た。


※「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」に関しては、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を鑑賞後、レビューする予定。




5.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」公開まで


前作より2年後・・・。


予定よりも1年も待たされた事に憤怒する事があったが、なんやかんらで公開日が決まるとハイテンションになる。


その後に9年も待たされる事になるとは、この時は微塵も思っていなかった。


公開1週間前から


TV版

劇場版



を繰り返し観続ける。(2ループくらいはしたかも・・・。)


「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」公開前日。


あまりの期待に興奮が収まらず、朝の4時辺りになっても全く寝る事が出来ない。




6.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」公開当日


結果、寝坊・・・。


初回の予約チケットが紙クズとなってしまう・・・_| ̄|○ガックシ・・


気を取り直して劇場に向かう。


劇場に着くと、エントランスホールに見たこともないような人の数が・・・。


人の動きや様子を見ると明らかに、みんな「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観に来ているようだ・・・。


恐らく当時は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を公開する映画館が多くない為に、一極集中したのが原因だと思う。


席の空き状況を確認すると、1番前の右端という最悪な席しか空いてない事に絶望する・・・。


いっその事、一回待っていい席で観るかとも考えたが、観たい欲求に打ち勝てずに1番前の右端を購入する。



しばらくエントランスホールで待っていると、初回を観たであろう人々が、これ以上ないくらい満面の笑みでエントランスホールに戻ってくる。


鑑賞した人々の顔を見ただけで、前作を上回る傑作だと確信。


しかしその人々の中に、『EVA参号機のパイロットに関するネタバレを大きな声で話す』といった犯罪レベルの行為を平気で行う、極悪非道な阿呆どもが数名ほどいた。


余り人に対して怒りを覚えたことがなかったが、この時ばかりは、憎・恨・怒・忌・呪・滅・殺・怨・・・といったありとあらゆる負の感情が頭の中を駆け巡った。


とはいえ、こんな人間とも呼べぬ便所虫を滅した所で、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が観れなくなる処か、エヴァの名に傷が付いてしまうので、心の中で「くたばれ!!」と呪うだけに留めて置いた。




7.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」鑑賞後


正直、命の危機を感じるレベルに素晴らしい作品であった。


仮に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の上映時間が108分ではなく、130分ほどに伸びて第12使徒レリエルの話を入れていたら、映画館で若干1名の死人が出てきたかもしれない。


鑑賞後は、多少の命の危機を感じつつも、再度チケットを購入。



帰宅後は、ヤフーレビューでみんなの意見をチェック。


そして、


TV版

劇場版




を観たあとの映画館で「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を鑑賞。


なんやかんらで、上映終了するまで9回も観に行く事に・・・。


恐らく今後人生で、ここまで同じ映画を繰り返し映画館で鑑賞することはないと思う。


ただ今現在は、前ほど「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を評価していない。


※「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」に関しては、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を鑑賞後、レビューする予定。




8.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」公開まで


次作の期待が余りにも上がりすぎて、少々脳が狂ってしまった。


「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に関する情報が出る度に、目から涙が流れるといった状態に陥ってしまった。


金曜ロードショーの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版」の本編終了後、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の新予告が流れた時は泣いたし、完結編「?」(当時の表記)が2年後(2013年)に公開されると分かった時も涙が出てきた。


そして、新宿バルト9のビル壁面にて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の情報があると分かれば、宮城から東京に新幹線で行き、情報を確認。


ビル壁面にて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の公開日が正式決定されると涙を流して喜ぶ。そして映像を観たらそのまま新幹線で宮城に帰る。


今考えると完全に頭がイカレていた・・・。



9.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」公開前日


金曜ロードショーにて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 冒頭6分38秒 TV版」を放送するという事で鑑賞。


観る前は、冒頭の7分近くも映像流したら、相当なネタバレになるのでは・・・と勝手に危惧していた。


後で分かる事だが、冒頭の7分近く流した所で何の支障もなかったな・・・。


まあ、とにかく観てみたのだが、US作戦が余りにもカッコよすぎて腺が完全崩壊していた。


特に、アスカの


アスカ「何とかしなさいよ!!バカシンジィィーーー!!!」


の流れは、脳内麻薬が流れ過ぎて、危うく自宅で死ぬところだった・・・。


命の危機を感じながらも、一晩中リピート再生をする。



10.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」公開当日


結果、3年前と同じく寝坊・・・。


初回の予約チケットが再度紙クズとなってしまう・・・_| ̄|○ガックシ・・


自分のアホさ加減に、嫌気が差してくる・・・。



とりあえず、気を取り戻して劇場へ行き、チケットを購入。


前回、極悪非道な阿呆どもにネタバレを食らったので、今回は車にて待機。


暫く待っていると、映画館からゾロゾロと人が出て来る。


ふと、人々の表情を見ると何かがおかしい・・・。


前作は、これ以上ないくらい満面の笑みで人々が劇場を後にした。



しかし、今回は違う。



全く生気がなく、血色が悪く、フラフラと歩いている。


まるでゾンビのようだ・・・。


一瞬、どっかのアホが劇場内にTウイルスを持ってきて、誤って散布してしまったのではないかと思う程、その光景は異様であった。


かなりの不安を抱えつつも「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を鑑賞する。




11.「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」鑑賞後


恐らく鑑賞後の私は、先に劇場を後にした人々と同じく、Tウイルスに感染したゾンビのような姿で劇場を後にしただろう。


前回のように再度チケットを購入することなく帰宅。


帰ってから一日中ぼーっとしてた記憶がある。


そして、今回の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に関しては、劇場で3回程しか足を運ばなかった・・・。


そして、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を観て改めて分かった事・・・。


こりゃ、いくら考察しても意味がないわ。(楽しむ分にはいいけど)


こんなストーリー誰も読めねーよ!!!


読めるのなんて預言者くらいのもんだろ!!!


まあ新劇場版の考察は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の公開後に改めてしよう。


せいぜい本作と同じく待っても3年くらいだろ・・・。


いや、後は畳みかけるくらいだから、2年後には公開されるだろう・・・。


今まで3年も待てたんだ、ここまで来たら待つさ・・・。



12.「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」公開前日


長げーーーーーよ!!!


いくら何でも9年は掛かり過ぎだろ!!!!


そんなに待たされるとは思わなかったよ!!!


小学1年生も中学生卒業しちまうわ!!!!


どんだけ待たせんだよ!!!!




というのは冗談で。


ぶっちゃけ、ここまで待たされると、割とどうでも良くなってきてる。


逆に明日公開するのが不安になってくるくらいだ。



あー、エヴァが終わってしまう・・・。


あれ程まで観たかった作品なのに、明日でエヴァが終わってしまう。


なんだろう・・・この気持ち・・・。


観たいんだけど、観たくない。


いや、終わって欲しくない。


『スターウォーズ エピソード9』も『スターウォーズ エピソード8』があの酷いクオリティじゃなかったら、今と同じ気持ちだったのかな・・・。



まあ、何にしても学生の時に誓った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版を全て観るまでは絶対に死ねない!!』が、ようやく果たすことが出来る。


長かったな・・・。


誓った時は、まさかフリーランスで生計を立てるとも思ってなかったし、結婚して自分の息子にデレデレになるとも思ってなかった。(高校の時は小さい子供が嫌いだった)



とにかく、明日は仕事を休んで「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」だ!!!(考えてみたら学校と仕事休んでまで観た映画って「エヴァンゲリオン」と「スター・ウォーズ」くらいだな)


息子を寝かしつけた後は、エヴァではなくあえて庵野監督が100回以上鑑賞したという名作、『激動の昭和史・沖縄決戦』を鑑賞して寝よう。


明日こそは寝坊しないようにしないとな・・・。



■ 「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」公開当日


1.『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』


3月8日0:00



YouTubeにて、『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』が公開される。


改めて冒頭部を綺麗な映像で観たが、ヤバイ!!


何がヤバいって、もしかしたら明日映画館で死ぬかもしれない…。


ここまで死にやすい作品に仕上がっているとは…。


明日の朝、遺書を書いておこう。



2.公開日の朝


素晴らしいフォロワーさんも色々心配してくれたが、無事朝に目覚める事が出来た。


軽い遺書を書き、妻と息子に対して、


menoki「ごめん、今日お父さん映画館で死ぬかもしれない・・・。」


と言うが、


妻「はいはい・・・いってらっしゃい・・・。」


と軽くあしらわれ、息子は最近買ったおもちゃに夢中でまるで聞いていない (´Д⊂グスン




3.劇場内


平日の午前中ということもあり、そこまで客はいないと思っていたが、想定していたより倍の人数がいた。


しかも、大半が学生・・・。


まあ、そりゃそうか・・・。


私と同じく30代前半なんて数えるくらいしかいなかった・・・別にいいけどね。



そして、分かっていた事だが、上映時間を見るとやはり鬱になる。


上映時間が155分・・・。



155分だと!!?


ふざけんな!!


短すぎる!!!


155時間の間違いじゃないのか!!!


こんな短時間で完結編でもある「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」をまとめられる訳ねーだろ!!!


「見るレッスン~映画史特別講義~ 」の著者である蓮實 重彦は「映画90分説」を揚げている。


映画と言うのは、ほぼ90分で撮れるというものだ。


確かにこの本を読むと、色々納得できる部分もある。


しかし、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は無理だろ!!!


155分でも短すぎるくらいだ!!!


せめて15.5時間は必要だろうが!!!




もし上映中に尿意を催したら・・・素直に漏らそう・・・。


きっとみんな寛大だから大丈夫だろう・・・。


それより、無事生きて帰れるかだ・・・。


EDで『One Last Kiss』が流れるだろうが、その後に「残酷な天使のテーゼ」が流れたら・・・マジで死ぬかもしれない・・・。


ああ・・・シアタールームが暗くなってきた。


生きて帰って帰って来れるかな・・・。





4.「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」鑑賞後



155分後・・・。


シアターから帰還する事が出来た。


私は高校生の時に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版を全て観るまでは絶対に死ねない!!』と神に誓った。(信じてないけど)


つまり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を全て鑑賞した後は、別に死んでもいいと思っていた。


そして、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を鑑賞した後、私の心の中は希望に満ち溢れたものであった。



頑張って生きよう!!死んでたまるか!!!



『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の発表当時とは完全に真逆だ・・・。


そもそも昔と違い、今は妻と子供がいるので死ぬ訳にはいかないのだが、心の奥底には少しだけあったのかもな・・・。


それと正直、観終わった後はかつてないレベルの虚無感が襲ってくるのだと思ったが、なんだろう・・・あり得ないほど心がスッキリしている。


まるでエヴァの呪縛から解放されたようだ・・・。


清々しい。


恐らく、私だけでなく観客のみんなも同じだっただろう。


大好きな「エヴァンゲリオン」が終わり、どこかしら物寂しさも感じていただろうが、やはり清々しさの方が大きいと思う。


恐らく、長い間エヴァに魅了されていた人・・・強いては庵野秀明に魅了されている人ほど、その解放感あふれるものだと思う。


と同時に、そういった人ほど本作に感銘を受けるだろう・・・。



いやー、素晴らしい!!!


多少の不満点はあるものの、個人的にはそんなものを打ち消すくらい、これ以上ない最高の「エヴァンゲリオン」のラストだった。



世間一般的に不評だった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」も、恐らくは本作の影響で評価が上がるだろう。(個人的には好きだけど)



いつもはガッツリ内容に触れたレビューをしているが、今回に限り一切内容には触れないようにしよう。


内容に触れたレビューをすれば、軽く3万文字はくだらないだろう。


そもそも、まだ触れる時期じゃないだろうし・・・。


BDが発売された辺りで、しっかりと書こうかな・・・。



さて、チケットも残り2枚あることだし、夕方まで「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観るか!!!


キャッチコピーに「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」とも書いているし、今日でエヴァンゲリオンを卒業しよう!!!


あと、2回も連続で観れば、完全にエヴァ卒出来るだろう!!!


そして、新たな事にチャレンジしてみよう!!!


帰ったら、妻きっと驚くだろうな・・・エヴァを観たのにも関わらず、こんなに清々しい顔で帰って来るなんて・・・。


夢にも思わないだろう・・・( ̄∀ ̄)ウシシ






5.帰宅後


私(32歳)「ふえーーーん!!!エヴァが終わっちゃったよぉぉぉーーーー!!!明日からどうやって生きていけばいいんだよぉぉぉーーーーーー(´Д⊂ヽウェェェン」


妻「・・・。」



終劇
ポルりん

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