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シン・エヴァンゲリオン劇場版のagentkoseのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

恐らく本作以上に長い間ファンから待ち望まれ続けてきた映画はないと思います。僕は去年の自粛期間に新劇場版の序破Qに触れ、TVアニメ旧劇場版と見てきた人間なのでこの映画を待ってた歴としてはほんの一年ちょっとなんですけどその比じゃないぐらいこの映画を待ち侘びた人は多いはず。

でも本作はそんな待ちに待ったファンの期待を裏切ることなくエヴァに対する思いや熱意が強ければ強い人ほどグッとくるものがある作品かつ単なる新劇場版シリーズの終わりではなくTVアニメ版や旧劇場版を含めた全てのエヴァンゲリオン作品の終わりと言うに相応しい作品にしてきた。

エヴァにとってそして20数年間と続いた1つの壮大な物語の幕引きとしてこれ以上良く出来たものが他にあっただろうか。

順に追って触れていくとまず開幕してすぐにトウジや委員長が生きてたのにはめちゃくちゃ驚きました笑。特にトウジに関しては前作の白シャツのくだりでこいつだけは完全に死んだと思ってたのでなおさらでした。

それに同じく生死が分からないままだった加持さんもサードインパクトを防ぐために死んでたことが明かされたり、ミサトさんがシンジくんにニアサーの責任を負わせたことを後悔してたりなど不完全燃焼だったQの補完をするようなシーンが多く決して謎を謎のまま終わらせなかったのが本当に有難かったし、そういうところからも終わりを感じました。

あとはまさかの村での農業ですよ!!あれはほんとエヴァ感がゼロでしたね笑笑。エヴァっていうよりかは細田守の映画みたいでした。でもそこで黒波が徐々に人の暖かさやいろんな感情を知っていくのがとても初々しくて可愛かったです。

それに黒波だけじゃなくシンジくんも村でトウジやケンスケと久しぶりに再会しそこから立ち直っていく様は今までのエヴァではあまりなかったシンジくんの心が洗われるような感覚さえしました。

だからこそ黒波が目の前でLCL化した時も割とすぐに立ち直ることが出来たのかも。

その後のシンジくんがヴンダーに乗ってからの展開は正直まだ一回しか見てないっていうのもあってあまりよく分かっていない。というのもやはりエヴァは最後までエヴァだった為いつもの如く聞いたことない単語が当たり前のように出てくるので全然理解が出来ない。

そこら辺も含めて完全に本作を理解しようとすると2回目以降の鑑賞は必須である。

でも確実に言えるのはこの物語は大人になる物語であること。他人との関わりを拒絶してきたシンジくんが挫折と復活を繰り返しながら他人の存在や死を受け入れ、自分の弱さと向き合い大人になっていく物語。苦手だった父ゲンドウにもう一度立ち向かう覚悟をする物語。

そして今まで20数年間呪縛に縛られ続けていた少年少女たちいわば庵野監督自身がエヴァの呪縛から解き放たれ、大人になる物語。

そういったメタ要素を入れてくるあたりからして恐らく庵野監督がシリーズを通して観客に伝えたいことはTVシリーズのことからあんまり変わってないんだろうけど今回はとても清々しかったです。

そんなエヴァの終わりにこうしてリアルタイムで立ち会えたことが何より本当に嬉しかったし、楽しかった。でも少し寂しくもありました。

またまだ理解したとは言い難い本作ですがまずはこんなにも素晴らしい作品を作り上げてくれた庵野秀明監督と今作に関わった全ての人に最大の感謝を✨

本当にありがとうございました。

〜2回目の感想〜
当たり前かもしれないけど圧倒的に1回目より話の内容を理解しながら楽しむことが出来ました。特にミサトさんがシンジくんをかばって撃たれたりする一連のシーンはこの後何が起こるのかはっきり分かってるのでより感情的になれました。

それに駅のホームに綾波やカオルくんだけじゃなくてアスカもちゃんといるのを今回確認出来たので良かったです。