特売小説

シン・エヴァンゲリオン劇場版の特売小説のレビュー・感想・評価

-
俺がどれだけ願ってもデカパイを揉みしだけない理由、それを突き付けてくる物語でしたよね。

現実の憂さを虚構の世界に持ち込み暴力を以て晴らす、そうして一時的に救われた気になっても陰性思念がぶり返してくるとまた虚構の世界に逃げ込み同じ事を繰り返す、即ち円環する物語の中に閉じこもっているからだと諭された気分ですよね。

正直、観終わった直後は。

散髪シーンで「CUTIE HONEY キューティーハニー」を想起してぐっときたりしつつも、絵面的快感度が旧劇に遠く及ばねえ、俺が観たかったエヴァはこれじゃねえ、と感じてたんですが。

1日経って振り返ると、いつしか穏やかな気持ちを識りそれで以て自らを癒やしていた自分自身、というものの存在に気付かせてくれる映画だったな、という気持ちもありまして。

詰まりはちったぁ成長していた自分を肯定出来ている、僕はここにいてもいいんだ、という事ですよ、デカパイを揉みしだけてはいないけど。

いつぞや余所の畑からやってきて門外漢ならではの間違った角度からのドラクエ説法を得意げな面して撒き散らしていった彼がどんな気持ちで本作を観たか、訊いてみてえなと思いましたよね。
特売小説

特売小説