らっきょ

シン・エヴァンゲリオン劇場版のらっきょのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

観ました!!!!!!!!
映画館で観ようと思ってたのですが結局行けずアマプラで視聴。
妹に誘われて新エヴァ全部観ました。
すごくストーリーが難しそうだと思ってずっと遠慮していたのですが、難しいは難しいですが深読みもできるという感じの難しさなので、全く理解できんという事はなくて普通にめちゃくちゃ楽しみました。
観る前にたまたま誰かのレビューを読んでしまった際「シンジが弱すぎてイライラした」というのがあったのですが、私はむしろめちゃくちゃシンジくんに自己投影しました…。
責任をとる、傷つく、人と深く関わる…、全部怖くて逃げ出したいし避けたい、と私もすごく思っていたしむしろ今も思っている。でも、このままではいけない、大人にならなくちゃいけないことも理解している…。
すごく自分と重ねて観たのでとても考えさせられました。
私の場合シンジくんくらい子供にも振り切れてなくて、大人みたいに振る舞いつつ決定的な責任を負わないようにヌルヌル生きてて、すごく自己嫌悪になりました…(笑

↓以降自分の記憶のために自己語りです


大人ってすごく完璧な存在なんだとずっと思っていて、完璧だから私にそういうのを求めてくるんだと思っていました。
でも自分の年齢が上がって大人になっていくと「あれ?もしかして大人って完璧じゃない?」というのにだんだん気がつきだすんですよね。
私はずっと大人って完璧で偉いから逆らっちゃダメなんだと思っていたのに、実は全くそんな事ない、という事がとても衝撃的で、自分の軸が根底から揺らぐような感じがしました。
でも、ずっと幼い頃から持ってきた完璧な大人という幻想がずっと捨てられなくて、親が完璧じゃない事をとても責めたい気持ちになったし、完璧じゃないのにどうして子供を産んだんだとも思うし、年齢と体が勝手に大人になってしまうからそれに釣り合うためにすごく完璧に自分もならなくちゃ、と思いました。
完全に思春期ですよね〜…でも高校生で思春期来なくてかなり遅れて来たのですごく自分の中に影響がすごかった。
なんなら今も完璧であろうとしているし、でも完璧にはなれない事にも気がつき出した。
自分は今、大人でも子供でもない…。
未来にすごく不安を感じてました。

今までのエヴァンゲリヲンで完璧だと思っていたキャラクター全て(大人も子供も)が実は全く完璧ではない、と分かる回でした。
アニメとかドラマって、完璧な存在しか基本出てこないと思うんです。欠陥や短所があったとしてもそれですらギャップになるような、キャラクターとして完璧な存在ばかりが居る。
エヴァのキャラクターが最後にどんどん明かされていった完璧では無い部分は、ギャップを狙っているとかそういうのでもなくただただ欠陥、まだ未熟な部分や短所でしかない。
カオルくんですら、自分の幸せというエゴを理由に博愛的行動をしていた。
私はそれが本当に衝撃的でした。
ずっと完璧であるとおもっていたもの、キャラクターという完璧に描ける存在にすら不完全な部分がある…。
私は、不完全であっても生きていて良いんだ…と感じました。
ただの欠陥でしかない部分が、ギャップにもならない長所として生かすこともできない不完全な部分があっても、それでも生きてこの世に存在してもいいんだ…と、思いました。
シンジくんの言ってた「その弱さを認めないからだ」というセリフは、全ての終わりであり始まりのようなセリフだと感じました。
親も他の大人たちも、弱いけれど弱いまま戦って、今まで生きてきて大きな責任を背負って生きている。
弱いままで生きていく、という事が大人なんだと思いました。
弱いけど、戦っている人が大人。
私は今弱い事に気づいたけど、まだ認められないから怖くて戦えてないんだな、と思いました。
不恰好で恥晒しでエゴの塊みたいなキャラクターや親を見て、まだ少しですが、私もはやく大人になりたいと素直に感じられました。
少しずつがんばります。
うまく言えないですが、この作品は何度も観ようと思います。
そして、思春期が遅れてやってきてガッツリ思春期の状態でエヴァに触れられて良かったと思いました。


追伸
カイン、という本を人から教えてもらい、知りました。
内容は傷つかない、強くなった作者がどうして強くなったのか、強くならざるを得なかったのかを書いている内容だそうです(現時点ではまだ未読…)
人と関わるのをやめ、人生の幸福を諦める事が強さに繋がる。
エヴァでは弱さを認める事で他と生きる事を選択していました。
私は強くなりたいとずっと思っていました。傷つかない、完璧な人。
でも強くなることと他と共存することは両立しないのではないか?とも感じていて、エヴァに触れた私は弱さを認める事を選ぼうと思いました。
同時にこの本のあらすじを知り、私は他人と生きる事は傷つく事だと知っていたから強くなりたかった、怖かったのだなと気付きました。
自分はやっぱり人と生きたいのだと思いました。
1人でも生きていけるけど、他と共存したい。
弱いまま生きる、という事がちゃんと分かった時またエヴァを見返したいと思いました。
らっきょ

らっきょ