シン・エヴァンゲリオン劇場版のGTのネタバレレビュー・内容・結末

　エヴァ新劇場版の完結編。そして、エヴァンゲリオンというコンテンツの完結編。
　前情報はなんとなく掴んでおり、どうやらとんでもない映画だということは聞いていた。最初から最後まで、とにかくカオスの連続なんだろうなぁ、と思いつつ見てみたら意外にも最初の方はかなり穏やかというか良質な人間ドラマ。渚カヲルを目の前で失って茫然自失とするシンジが、綾波やトウジといった仲間たちの励ましにより徐々に立ち直っていく様、或いはエヴァのパイロットとしてしか生きられなかった綾波レイが様々な人との交流により人間らしい感情や知識を学んでいく様、また或いはシンジのことを邪険に扱いながら心では彼のことを心配するアスカなど、登場人物たちに愛着が沸くようなシーンの数々が、前半では用意されている。
　後半ではいよいよ葛城ミサトを艦長とするヴィレがネルフに殴り込みに行く。難解な用語の数々や何やらスケールのでかい描写が多数出現するが、要はゲンドウの「人類補完計画」を阻止するのが目的だ。ゲンドウの罠に嵌められ万事休すのヴィレ、そこにシンジが登場。かくして、シンジvsゲンドウというまさしくエヴァの最後にふさわしい親子対決が実現する。
　後半の意味不明極まりない描写は、まさしく万人がイメージするエヴァそのものといった感じだ。内面吐露、衝撃的で前衛的なビジュアル、メタっぽい描写、そして実写。これらは旧劇で用いられていた手法であり、最後の最後で、エヴァは原点に戻ってきたというべきなのかもしれない。
　どうあっても賛否両論、毀誉褒貶著しくなりそうな、「エヴァの最後」。リアルタイムで追っかけてきたわけじゃないので何とも言えないが、個人的にはエヴァンゲリオンらしい最高の終わり方だったと思う。