KnightsofOdessa

Seven Invisible MenのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Seven Invisible Men(2005年製作の映画)
2.0
[無駄な会話が増えて面白さは激減] 40点

短編を抜くと5年振りに製作されたバルタスの監督八作目。着実に要らない会話の量が増えているのはズッコケだった最新作への布石なのか、決定的な脚本家を欠いたことによるバルタスの限界値なのかは微妙なところであるが、それでも他の監督に比べたらダイアログは少ない。でも、多分無くても成立するからこそ無くしてもいいのではと思うし、実際に無かったのがこれまでのバルタス作品なんだが、美的センスが変容したのだろうか。

車泥棒たちのニ男一女という構図は見慣れたもので、彼らが盗んだメルセデスで当てもなく旅する様子を、平時通り接写で見つめ続ける。やがて仲間の一人が抜け出して、妻子がいるクリミアに落ち着き、後から仲間の二人もやって来る。次第によく分からん団体が増えて、夜にパーティを開く。狭い食卓を何人もの男女が囲み、酒を飲んで歌って踊る。酔っぱらいの泣き言が延々と繰り返される後半は絶望的につまらない。

パーティのショットはどれも汚らしいし、一体何を目指してたんだ?ここまで来ると、これまでの自分の作品のセルフパロディにしか見えなくなってくる。辛いとこではあるが、あんまり成長が感じられないのは大きな不満点である。
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