イタリア産の程よいハードサスペンス
シナリオが飛び切り優れているという印象は受けないが、真摯な意気込み、メリハリある場面転換、入念な細部への心配り、音楽の妙が感じられ、総体としてなかなかの充実感と満足がもたらされた。
米国映画でも同様の真摯さが感じられる見応えあるサスペンスは多数存在するが、舞台をイタリアと南米に変えるだけで雰囲気ががらりと変わりその点でも新鮮な喜びがあった。
真に腹黒い資本家の偽装工作と、心ならずも従うしかない哀れな孫娘のエンドシーンも複雑な余韻を残す結構な佳品。
4.2の四つ星
002011