菩薩

ホース・マネーの菩薩のレビュー・感想・評価

ホース・マネー(2014年製作の映画)
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いやさ、全然分からんのだけど、けど勝者の側からしか語られない歴史がある一方で、敗者であり続ける事を強いられた側にだって本来は歴史ってものが存在してるはずで、それを記そうにも文字で伝承していく文化は無く、ただ断片的な記憶と、幸福よりも不幸な喜劇よりも悲劇的な側面しか持ち得なかった各々の人生ってのは存在してる筈で、いざ人生に幕が降ろされる直前に見る走馬灯までもが、人生とは苦痛に満ちた物であるって事を証明する裏付けにしかならないってなんなんだろうなって、めちゃくちゃ悲しくなっちゃうよね。赤パン一丁のヴェントゥーラは往年の馬場だし、黒電話のお散歩してるとこは時々街中で出くわすたわしのお散歩してる人みたいでゾワゾワしちゃうけど、英雄として語り継がれる人々の影には、名もなき沢山の生涯があるんだってのを忘れちゃいかんよね。震えるヴェントゥーラの手が止まる時が彼が苦しみから解放される時なのかなとか思うと余計に悲しいし、最後手にするナイフが何の為に用いられるのかも分からん。放浪する魂、置き去りにされる肉体、働けど働けど…人生ってなんなのよ本当…。
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