『夢に現れた人に 翌朝必ず電話をするとしたら
人生は単純になるわ』
そうね。でも、そう単純にいかないのが恋愛よね。
美しい愛なんて、なまじ無いのかも知れない
改修工事で閉鎖中のポンヌフ橋
そこをねぐらにする眠れない男アレックス(カラックスの寵児ドニ・ラヴァン)が、失明の危機にある画家のミシェルに恋をする。
その恋は、激烈な愛情ゆえに支配的で刹那な側面を持つ。
フランスのお国柄か、酸いも甘いも舐めた恋愛観に、居たたまれない気持ちになる
そして彼女、ミシェルの気持ちが推測しかねて傷つく自分が居る
都会の中で味わう孤独たちがポンヌフ橋で昇華する
その橋でふたりが観た花火
その橋でともに舞ったダンス
そして雪の降るクリスマスの再会
なんとも劇的で狂おしく脳裏に焼き付く
観終わった時には、美しく記憶されている
不思議ね。あんなにもドロドロだったのに…