れもん

映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史のれもんのレビュー・感想・評価

4.0
2009年公開の『ドラえもん』の映画シリーズ29作目(「第2期」4作目)で、2作目『のび太の宇宙開拓史』のリメイク作品である。

アマプラの評価がやたら低かったのもあってあまり期待せずに観たが、普通に面白かった。
やはり、『ドラえもん』において普通に面白いというのは大事な要素のひとつだ。
賛否両論わかれたという28作目『のび太と緑の巨人伝』の翌年に公開された作品だったことを考えると、きっと正しい軌道修正を試みた結果の作品なのだろう。

脚本を務めたのは、5作目『のび太の魔界大冒険』のリメイク作品であった27作目『のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』でも脚本を務めていた真保裕一。

やはり真保裕一特有の作風があるようで、2作目→今作も5作目→27作目と同じような改変があった。

一番大きな改変は、モリーナとその父・バーンズ博士というオリジナルキャラクターの追加だろう。
個人的には成功の部類に入る改変だと思ったが、やたらと親子愛を強調する「第2期」の傾向に辟易としている層からは批判がありそうだとも思った。

また、大きな改変ではないが、いくらスーパーマンのように活躍するとはいえ部外者かつ子供であるのび太たちを頼るコーヤコーヤ星の住民たちのグロテスクな思考を批判する視点が追加されていたのは良かった。

そして、チャミーのキャラデザ。
チャミーが登場した瞬間、目のカラーリングが怖すぎるだろ!と思ったけど、どうやら原作漫画のキャラデザに寄せた結果のようだ。
それなら仕方ないのかもしれないけど、最後まであの目のカラーリングは怖かった。笑

もはや恒例化してしまっているゲスト声優の起用だけど、個人的にはクレム役のアヤカ・ウィルソン以外はそんなに違和感を抱かなかった。
モリーナ役の香里奈なんて結構声質が良くて、『魔女の宅急便』でウルスラ役をしていた頃の高山みなみのようだと思ったくらい。
褒めすぎか?笑

主題歌は柴咲コウの『大切にするよ』。
素直に良い歌。

今作までのリメイク作品は、3作品ともリメイク元よりも良くなっていると思う。
まあそうでなければリメイクする意味が無いけど。

ただ、「第2期」になってからの作品は総じて演出が大袈裟でクサすぎる。
感動させたい場面でキャラクターを泣かせたり叫ばせたりされすぎると、私のようなあまのじゃくな人間は逆に感動が薄れてしまうんだよな。
キャラクターはあっさりしているのに観ている自分はうるうるきているみたいなパターンが理想なんだけど、いつもその逆のパターンになるのが残念。

【2022.08.17.鑑賞】
【2022.08.18.レビュー編集】
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