ハマボーイ

LOVE【3D】のハマボーイのレビュー・感想・評価

LOVE【3D】(2015年製作の映画)
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今までで、1番愛した人は誰ですか?と聞かれてあなたは誰を思い浮かべるだろうか。例えそれが片想いだったり、もう別れて新しいパートナーが出来たとしても、その人の存在はとても大きく、特別な想いとして心に一生居続けたりする。

主人公マーフィーにとってはエレクトラがそうだった。エレクトラと別れてマーフィーは彼女への愛を確信するが、もう元には戻れない。失意のドン底でマーフィーは嘆いた。「俺は迷子だ」

この映画の半分以上が、生々しいセックスシーンで彩られている。粘液と粘液が混じり合い糸を引き、本能の頂で愛を交わす2人。それはとても野生的で美しい。
しかし、2人はいつしか共に依存しあい、より刺激的な方法でしか愛を確認し合えなくなった。3P、ハプニングバーでの乱行、ドラッグセックス、ニューハーフを交えてセックス、、、それがお互いを傷つけ合ってることだと分かっていながらも、より過激な共有を愛とすげ替えるしか、2人の関係は成り立たなかった。

皮肉にもラストの回想は2人が出会った日のシーンだ。そこには、少しドギマギしながらも公園を歩く初々しい2人。なんの刺激も危うさも必要としてない、ただそれぞれに惹かれ合う純粋な眼差しだけがあり、キスはとても優しかった。
究極の愛とは、一体なんなんだろうか。

この映画を、ただの失恋した男のねちねち女々しいオナニー日記と言う人は、死ぬほど好きになった人とまだ出会ったことがないのでは?と思う。それか、セックスに淡白で、好きな人と追求するセックスの本当の快楽を知らない人。

それにしてもアタマにくるのは日本の映倫だ。セックスシーンだらけの本編の映像はモザイクだらけ。男性器から3Dで飛び出すぶっとび精子のシーンも、画面全部にモザイクで台無し!!アダルトとそうではないものの境目が分からない見識者ぶるジジイたちのほうが、よっぽど危険だ。
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