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ジーサンズ はじめての強盗のcatmanのレビュー・感想・評価

5.0
主演三人は文句無しに素晴らしい。特に印象的なのはアラン・アーキン。飄々として笑いを取りながら情感豊かな表情を見せる実に味わい深い芝居。カラオケ大会でのアンマーグレットとのデュエットは二人とも歌が達者で熟年カップルの醸し出す愛らしさがなんとも洒落ている。クリストファー・ロイドの怪演も流石だわ〜
ユーモアペーソスアクションサスペンスロマンスがバランスよくブレンドされた脚本も素晴らしくって、小ネタの挿入や伏線の回収も見事。センス無ぇな…と初めは憤っていた『ジーサンズ』という邦題も、『オーシャンズ』をもじっていることを知るとちょっとイイかもしれない…ってなる(笑)
そして全編に渡って挿入歌の選曲と使い方のセンス良過ぎて悶絶する。ATCQのCan I Kick Itとか、スティービーのHigher Groundとか、マークロンソン&ミスティカルとか、映像とのマッチングによるカタルシスが半端無い。あのシーンでサム・クックのMean Old Worldが流れ出した瞬間は卒倒しそうになった。オーティスにしても、Hard To Handle を使うのが憎いんだよなぁ。映画のオリジナルスコアもオーケストレーションによるクオリティの高いもので、コメディにありがちな軽めのチキチキBGMを使ってる連中に爪の垢をそのまま食わせてやりたい。
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