川田章吾

ビリー・リンの永遠の一日の川田章吾のレビュー・感想・評価

ビリー・リンの永遠の一日(2016年製作の映画)
3.3
『ライフ・オブ・パイ』のアン・リー監督作品!期待して見たのだが…期待し過ぎて評価を下げてしまった感じ。

面白かったけど、もう一つ新しい発見がない。帰還兵のPTSDの話では『アメリカン・スナイパー』が、プロパガンダは『父親達の星条旗』や『キャプテンアメリカ』で既に語られていて、それ以上のものが特にあるわけでもなかった。

また、テーマ設定もなるほどなと思いながらイマイチ説得力がない。
確かに、戦争をエンタメ化している戦争に行っていない人間と戦争に行って様々な経験をした人間に大きな溝があることは間違いない。
しかし、だからといって、兵士たちが戦場にこそリアリティを感じるっていうのはどうなのだろう?
そのテーマを掘り下げるのであれば、戦争に行った軍人達のPTSDよりも、戦場に行ってない人たちの精神疾患を強調して演出した方が面白かった気がする。

また、『ライフ・オブ・パイ』の時と比べて構成に一貫性がない分、最後に説明台詞が多くなってしまって、物凄くノイズに感じた。
アン・リーさんには、とても期待しているので、『ライフ・オブ・パイ』のような面白さを期待したい。
川田章吾

川田章吾