名作中の名作。
平沢進の音楽も最高で見たことのない夢の世界へ私たちを招待してくれる。
「妄想代理人」もそうなんだけど、平沢進と今敏のタッグは神が勝ってる。
ラストで粉川警部が「夢見る子供たち」という映画を見るために「大人一枚」と言って、エンディングに入るシーンはもう、最高!
大人だって、夢を見てもいい。
嘘から真(マコト)が生まれる。
なぜ、私たちは映画やアニメなどのアートを観るのか。
それは、現実に存在しない理想に生きるためのヒントがあるからではないだろうか。
そのヒントを探していく物語がこのパプリカという作品なのだと思う。
ただ、今敏監督のすごいところは、その理想(夢)の危険性も指摘している。
理事長が行おうとしたように、自由を管理してしまうと夢は失われてしまう。
一方で、ラストの行進で現実の世界を直視できない夢見の大人たちをええじゃないかとして描く。こうした多層的な夢へのアプローチがこの作品の重みをより一層引き出している。
恐るべし、今敏監督。
若くして亡くなってしまったのが本当に惜しい人だった。