爆裂BOX

テラー・トレインの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

テラー・トレイン(1980年製作の映画)
3.4
スクリ―ミング・クイーンジェイミー・リー・カーティス主演の列車を舞台に殺人鬼に学生たちが殺されていくスラッシャー・スリラーです。結構有名な作品ではありますが、今まで鑑賞してませんでした。
卒業を控えた記念パーティを列車内で行う医学生グループが一人、また一人と殺されていきますが、殺害シーンは直接的に描かれないのでゴア描写は皆無ですね。生首ゴロン!シーンもありますが、一瞬で人形と分る造形でなんか微笑ましくなりました。その為ゴア描写期待すると外しますね。
そのかわり皆が仮装してる列車内で犯人も髭眼鏡のパーティーマスク→トカゲ男マスク→老婆マスク→半透明のマスクと次々仮装と衣装変えるので誰が犯人かわからないちょっとした犯人捜し要素もあります。また最初の犠牲者がお調子者で仮装してるので剣で腹刺されてもふざけてると思われて誰も気にしなかったり、マジックショーが開かれてる中で衆人環視の中で殺人行ったりといったシュチエーションも面白かったですね。トイレで死体発見して同行者連れて戻ってみたら酔い潰れた学生のふりしてる犯人に入れ替わってる所も面白かったです。
犠牲になるメンバーが結構ひどい事してるのに「悪ふざけ」という認識で反省してないのであんまり同情の余地はない感じですね。特にリーダー格のドッグのクズっぷりは抜き出てた感じ。ヒロインは一応反省してるみたいだけど変わらずあの面々とつるんでるからあんまりこっちも同情できないな。
ベン・ジョンソン演じる車掌が常に冷静でかっこいい。最後の決着この人がつけるとはお思いませんでした。
「この列車は全員死ぬまで止まらない…」と謡ってましたが、普通に途中で止まりましたね(笑)
ヒロインに後半犯人と疑われるマジシャン役でリアルマジシャンデビット・カッパーフィールドが出演してるので、マジックショーの部分がちょっと多いですね。その部分だけかと思ったら物語にも関わってきてジェイミー・リーと絡むシーンもありますし、最後も見せ場ありましたね。オイシイ役回りでしたな。
犯人は冒頭で主人公達のいたずらで女の死体と抱き合わされて発狂して病院送りになったケニーだとすぐわかりますが、誰に扮しているのかがミソですね。正体分かった時はちょっと反則だなと思いながらも成程!となりましたよ。登場した時から「えらくデカいな」と思いましたもん。
前半は殺人と殺人の間が結構あくのでちょっとテンポ緩やかですが、後半の殺人鬼との追いかけっこと攻防は中々ハラハラさせてくれて楽しかったです。殺人鬼のしぶとさも良いし、ジェイミー・リーも流石の絶叫演技見せてくれます。
ヒロインに○○されてからの殺人鬼の発狂具合と墜落死し、雪に覆われた河を流れていく殺人鬼の死体は悲哀感じさせて悪くなかった。
余韻も何もなくバツッと終わる所もこの時代らしいな。
古き良きスラッシャーという感じで楽しめました。