ミステリーではないので真相については特に思うところもないのですが、人心掌握については感心させられました。親切心が仇となった挙句に、罪悪感や自主性への揺さぶりがエグい！
お話はだいたい予想通りに事が運びますが、予告編にもあった“炎”のシーンはちょっと驚きました。すんごい直接的じゃないですか、あれ。いくらなんでも警察が無能すぎる！
演技、セリフ、照明、エキストラ…観るものすべてに違和感を感じて、いろんな意味で目が離せなくなりました。
西島秀俊演じる高倉の過去にてサイコパスを取り囲む警官多すぎ！とか
高倉の勤める大学でホンダサキ（演：川口春奈）から証言を聞く場面の光源なに？とか
あの部屋の壁どうなってんの？そもそも何の部屋？工場かな？とか
西島さんの「えっ？」ってぜんぜん「えっ？」って思ってないよね？とか
西島さんは自宅では肌着姿が多いけどあれってグンゼかな？乳首透けないな！とか
最後のほう関係ないけど。
悪い意味での違和感ではないんです。それすらも奇妙で心地悪くてまさにクリーピーだなぁって。
全編に渡り不安不穏な空気に支配されてますが、ふつうのサスペンスとしては「あの人、お父さんじゃありません」がピーク。西島さんたちが追っかけてる真実は観てるひとには明白ですからね。あとはどう決着させるかということなので。
そのラストも良かったと思います。ネタバレしない範囲で言うと、
「なんらかの理由で正常になったんだ」「いやいや異常ですよあれは」「てゆーか元から異常だったよ」という3つの可能性があると解釈できるのがいいですね。
なんなら車のとこで終わっても面白かったですし、ミ○ト的終わりも悪くないな、って思いましたがメジャー作品としてはあれがいい落としどころでしょうか。
