妻を亡くした一人の作家の再生と再起の物語。同じ境遇の妻の友人家族と親しくなり純真無垢な子どもたちと触れ合うことで罪悪感と書けない現実を紛らわしていたが、見ないふりをしてもそれが消えることはなく逆に飲み込まれそうになるのだとわかる。変わってしまった現実を受け入れ、新たな人との関わりで自分もまた変わっていく。それが妻の死によってもたらされたというのは悲しいが、人として欠けていたものを取得していく大切な時間だったのかと思う。主人公がクズな酷い男で実際近くにいたら嫌だけど、作品のキャラクターとして見る分には興味深く面白い。子どもを持つことのリスクとかお母さんじゃなくてお父さんだったら、という子どもの本音とかの生々しさが綺麗にまとめる感じじゃなくてよかったかも。