作家としてたまにバラエティなんかにも出ている祥雄は、売れない時期を支えてくれた糟糠の妻夏子に対する愛情はすっかり冷めて、ファンの若い女と浮気に明け暮れていた。ところが、ある日、友人とスキーツアーに出かけた妻が、交通事故に遭い急死してしまう。被害者として妻の友人の家族と付き合ううちに、祥雄は、妻の存在の大きさに気づいていくというお話。
本木雅弘がクズとしか言いようがない主人公を演じて出色。クズのくせに「自分のことを愛してくれる人を見くびってはいけない。」なんて心を打つ言葉を頻繁に吐くのが面白い。深津絵里は出番は少ないが、主人公を静かに愛する妻を演じて強い印象を残す。かみさんが突然いなくなったら、自分はどうするだろうかと考えさせるような強い力を持った作品である。
