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美術館を手玉にとった男のmasumoのレビュー・感想・評価

美術館を手玉にとった男(2014年製作の映画)
5.0

自分で描いた贋作を
美術館に無償で寄贈しまくった
おじいちゃんのお話。

『オリジナルなんて存在しない。
 全てに元ネタはある。』

主人公のおじいちゃん
マーク・ランディスの
この言葉からはじまります。

彼の贋作は肥えた目を持つ
美術館のキュレーターでさえ
気付かないほど素晴らしい作品。

そしてバリエーションも豊かです。

アントワーヌ・ヴァトーの
ようないかにも絵画!芸術!
って感じの作品から

ドクター・スースや
チャールズ・M・シュルツ
ウォルト・ディズニー
のようなかわいい系まで
なんでもイケます。

あとね。
公的文書も贋作しちゃうんです。

もうね。
ど変態だな!って心から思います。
(ほめてます。最高に。)

とても裕福な家庭に育って
幼少期は色んな国を巡り

パパと美術館に行っては
カタログを買ってもらって

パパとママが夜遊びしている間
テレビもなく暇で

美術館のカタログを模写して
暇つぶしをしていたのが
始まりだとか。

初めて模写をしたのは8歳の頃。

年季、入りまくりです。

そして最高にかっこいいです。

指を筆やパレットにして
名画を模写していくさまは
永遠みていたいくらいです。

ささやくような話し方や
猫背で痩せっぽっちで
ふわふわした雰囲気が
とてもチャーミングだけど

贋作を寄贈しに行く時は
おしゃれなメガネに

ダボっとしたサイズ感の
スーツでおめかし。

それがまー素敵なこと!
#ギャップ萌え

ただ終始ランディスから
孤独感や哀愁がだだ漏れなので
なんだか泣きそうになります。

模写をしている時と
寄贈しに向かう時だけは
光で満ちあふれていて

模写はランディスにとって
寂しさの穴埋め的な役割もある
のかなと思ったら

ますます悲しくなってしまった。
つらい。

贋作の個展をした時に
色んな人から

『自分の作品をだすべきだよ。』
と言われるんですが

ランディスはその度に
『若い女性の絵はそうだよ。』
とうれしそうに答えます。

その若い女性は
最愛のママの若い頃の
写真を模写したもの。

彼は今も絵を描いています。

instagramで最近の元気そうな
ランディスをみて

勝手に感極まっている
ところでございます😭👏
#手玉にとろうとはしていない
#邦題問題
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