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ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償のMKのレビュー・感想・評価

3.0
やっと観られた。

世界を席巻するファスト・ファッションとそれを取り巻くグローバルな産業構造や労働環境に一石を投じる映画。

1枚5ドルのTシャツを東南アジアで作って採算を取るには、一体いくらでTシャツを作ればいいのだろう?

業界は違うけどモノを作る自分の業界では原価なんて良くて3割?
輸送費、人件費、材料費、どんだけあるんだ中間マージン…。
一日中、今にも崩れ落ちそうな建物の中で服を作り続けて1.5ドル。
…そりゃそうだ、1着5ドルなんだから。

それでも雇用の機会や収入の場を提供していると主張するメーカーサイドと、かたや皮革や綿の乱獲、製造が引き起こす身体異常、環境破壊に苦しむ現地の人々。

昔ゲームの三国志でイナゴが発生するとマジ最悪だった。
南から北に駆け上がって行って米を食い尽くして兵力まで奪っていく。

日本の赤と白の洋服屋さんがどんどんと世界に進出していくニュースを見て三国志のイナゴを思い出したのをよく覚えてる。

グローバリズムってなんなのだろう?

結局、どこかの企業や限られた人々をより裕福にするためのシステムなんだからそんなお洒落な名前で呼ばずに、制圧なき植民地支配くらい露骨に言ってくれたらいいのに。

私たちがその洋服を着なければ、彼女たちはその職すら失うし、もっと過酷な別の労働を強いられることになる…

どの視点で語っても対論や反論が必ず存在するテーマだとは思うけど、折に触れて考えていきたい。

映画自体はこのテーゼから深掘りするための当事者のコメントなんかはなくて終始悲しい現地の実情を伝えるかたちで少し物足りなかったかな?

そういえばPAD MANって映画があったけど、この作品とは真逆の発想で爽快だった。
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