アキラナウェイ

13時間 ベンガジの秘密の兵士のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.4
実際に起きた2012年アメリカ在外公館襲撃事件を題材とした作品。

マイケル・ベイっぽいと思ったらやはりベイ。

ベイめ。やりよる。
これは壮絶だった。
観ながら追い詰められた。
観ながら死を覚悟した。

リビアの港湾都市ベンガジで、イスラム過激派の武装集団によりアメリカ領事館が襲撃される。現場からほど近くのCIAの拠点アネックスは、占拠された領事館からの救援要請を傍受するが、彼らの存在自体が極秘である為対応出来ず。そして、アネックスに派遣された民間軍事組織GRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)の警備兵6人にも待機命令が下される。しかし、緊迫の度合いを増す領事館の状況に危機感を覚えた一行は、自らの意志で救援活動を始める—— 。

GRSの6人が何せカッコいい。
「クワイエット・プレイス」シリーズのジョン・クラシンスキー以外の髭もじゃは、誰が誰か区別し難いけども。

過激派のターゲットはこんな危険なベンガジに赴任してきたクリストファー・スティーブンス大使。

ヤツらは何度もやってくる…!!

羊に紛れ、
バスに乗り込み、
松の木に隠れ、
何度も何度もやってくる。

360度、ぐるりと見渡せるロケーションは見渡しはいいが、敵さんからすれば狙い易いとも言えよう。

壮絶な銃撃戦。

花火の様に打ち上げ、高い射角をとる迫撃砲の砲弾が大きく弧を描いて着弾するまでのカメラワークとか痺れるんですが!!巻き戻して二度見した。

但し2時間半は正直長く、途中集中力は途切れがちだがそれは戦っている彼らも同じ。作品の殆どの時間は戦闘描写に費やされ、合間合間の休憩で交わされる台詞も小気味良く、緩急つけた脚本は良い運びだと思う。

ラスト30分は死者、重傷者が出てきて観るのが堪える。骨が見えとるよ!!

CIAのチーフが最初から最後まで嫌なヤツで困ったちゃんやわ。有事の際の嫌なヤツって平常時よりイラつきが増すんだけど!?

全てが終わった後、過激派の犠牲者達を見て泣き崩れる遺族の姿を描いていたのは、フェアだと思うし、好感が持てた。

"神と天国と地獄は己の中に"

本来関係のない国で、戦う理由もわからず、激戦を潜り抜けた彼ら。自分の妻に無事を伝えつつも、還らぬ友の訃報を告げる時に込み上げてくる感情。一筋、涙がこぼれる。

ジャケ写とキャストが地味過ぎるし、2時間にまとめ上げて欲しいのが本音だが、このスリル感は賞賛に値する。