Angeprunelle

13時間 ベンガジの秘密の兵士のAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

もう一つの9.11。

―神と楽園と地獄は己の中に―

戦士は引き際を知らない。

トランスフォーマーシリーズは鑑賞したことないですが
それ以外のマイケル・ベイ監督作品と比較すると
エンタメ性はいつもより控えめで
緊迫感と重厚感がしっかりあり
派手さのないキャスティングが意外ながら
実話に基づく本作にピッタリで
とても興味深く鑑賞しました。

正しいと思うことをする。
それ以上でもそれ以下でもない。

ただこの世には正しいと思うカタチが幾通りも存在する。

何を一番重要視するかも違う。

だから争いは絶えない。
だから悲劇は無くならない。

悲壮感と共に鳴り続ける銃声。
誰かを守る為に誰かを撃つというカオス。

味方なら、仲間なら
誰が撃たれて誰が殺されたか分かるのに
敵の事は何も知らない、知ろうともしない。
自分が撃ち殺した人間がどんな人柄だったかも
何歳かも名前も妻子の有無も・・・

でもあの状況下で子供は撃たないとか
敵か味方かちゃんと確認するっていうのは
やはり訓練されてて凄いなと思う。
当たり前の事のようだけど冷静でなきゃ出来っこない。

私なら正気を失い手当たりしだい撃ち殺すか
それさえ出来ず頭抱えて縮こまるかだな。
たぶん後者だ。

不死身のヒーローなんていない。
どんな勇敢な人間でも撃たれれば死ぬ。
爆弾落とされれば木っ端微塵になる。
自分も敵も生身の人間。

私達は何かの犠牲の下に生きているけれど
それにあぐらをかくのではなく
自分が困っている人を見てみぬフリすることは
自分の大切な人が見てみぬフリされるのを容認するようなもの
自分が誰かを傷付けるということは
自分の大切な人が傷付けられることを容認するようなもの
自分に哀しみや痛みや苦しみがあるということは
相手にも哀しみや痛みが苦しみが同様にあるということを
もう少し想像して生きなきゃなと思う。
Angeprunelle

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