Clara

バーニング・オーシャンのClaraのレビュー・感想・評価

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)
3.5
2010年にメキシコ湾沖の石油採掘施設が大爆発。世界最大の人災と言われたこの事故を映画化したもの。映画館で観た方が迫力ある映像を楽しめるからおすすめ。

海底油田から逆流してきた天然ガスの引火が原因で起きた事故で、この採掘施設では126名が勤務。ここで働く人々は、BP社(石油スーパーメジャーと呼ばれる6社のうちの1社)の下請けだからBPの命令が絶対。危険を訴えてもはねつけられ、未然に防ぐことができなかった。逃げ場のない状態で、逃げずに果敢に立ち向かったのは、従業員126名を率いるボスとチーフ。現実にあったこととは思えない、本当に映画の中のヒーローのような活躍ぶり。
事故そのものの恐ろしさはもちろんだが、何とか生き延びたその後に待ちうけている日々もまた地獄。それが気の毒で仕方なかった。マスコミに追われ、説明責任を果たすために思い出したくないことも思い出さねばならない。ボスやチーフといった上に立つ者は、従業員の家族に詰め寄られることもある。そして、大きな責任があるにも関わらず自分のことしか考えず、サクッと避難しちゃう石油会社の担当者…ちょっとしかなかったこういうシーンこそ、世の中をよく映し出していて印象的だった。

人の命がかかっている現場で検査などに手を抜くことがあってはならない。この当たり前のことを、どこの企業にも徹底して守っていってもらいたいと思わずにはいられない。そして、危険が伴う場所で働いて、その他大勢の生活に貢献してくれている人達に、私達はもっと感謝すべきね。
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