イチロヲ

妖艶毒婦伝 人斬りお勝のイチロヲのレビュー・感想・評価

妖艶毒婦伝 人斬りお勝(1969年製作の映画)
4.3
傍若無人に振る舞う番頭により生活と生計を破壊させられた女剣士・お勝が、仇討ちのため江戸へと出立する。宮園純子主演による人気シリーズの第2作目だが、物語に直接的なつながりはない。

「権力者によってヒドイ仕打ち(拷問・強姦あり)を受ける→復讐心を滾らせて、毒婦のスキルが覚醒する」というお馴染みの展開だが、前作とはまったく異なるロケーションにて物語が進行するので、別作品として単純に楽しむことができる。

全体的に、中川信夫監督の期待を裏切らない演出に面白さが包括されている。陰影を大事にした絵作りに、四肢切断ありきのグロ描写、緩急のあるカメラワークなど、あらゆる技法が盛り込まれている。

とくに中盤の女郎屋のシーンが白眉となっており、建物を真正面から固定カメラで捉えておきながら、そこに従事している人間たちの群像劇をワンショットで写したり、建物内部の1階から2階までをワンカットで移動させたり、手を変え品を変え楽しませてくれる。

役者陣では大信田礼子だけがやたら浮いているけれど、その他の演者の芝居と相殺したら帳消しにできる。クルクル回転しながら帯を解かれる、所謂「あーれーおやめになってー」を見ることができるところや、前作にはなかった若山富三郎の居合い斬りを見ることができるところにも注目。女性陣による色鮮やかなお江戸ファッションも麗しい。