だらだら続く会話劇とだけの認識で観はじめたので、あーこれが1時間以上はきついなと思っていたところ、エピソード0:内海のモノローグでぐっと引き込まれました。
"この川で暇潰すだけの青春があってもええんちゃうんか"
なんというか、地に足ついたスタンスの肯定に感じます。
会話劇のさなか、ところどころ双方家庭環境の暗いところがチラつくんですが、だいたいにおいてポップな話題で受け流す。これすごくいいと思っていて、毎回毎回「相談のるよ」みたいなノリはしんどい。偏見ですが、内海のいう「汗流してる」「クリエイティブ」なやつ=「何者かになろうとしすぎてる」やつにそんなのが多い気がする。無理して青春しなくていいんですよね。無理してない彼らはお互いに対して肝心なところで自然体でとても優しいです。
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・演技力の象徴こと、池松くんに"コミュニケーションは演技力やん"ってあの流れで言わせるのは流石にあざといかな。ただコンセプト的に大惨事にもなりえるなか、抜群の演技と温度感で臭みを消していた主演2人は素晴らしく、あざとさの綱渡りに成功していました。
・笑いどころはあんまりハマんないなあと思っていたらラストの「どこまで高い声出るかグランプリ、コウモリが集まったら勝ち」でやられてしまった。
・「俺と瀬戸は利害関係一致してるだけの関係」って言う癖に、瀬戸お母さんと内海がお互い認識しているところに彼らの可愛さが全部詰まってると思います。