あらた

セトウツミのあらたのレビュー・感想・評価

セトウツミ(2016年製作の映画)
2.8
2人の男子高校生の、だらだらだべるだけの青春。漫画原作。

ハイテンションのバカとローテンションのかしこの関西弁での会話は漫才チックな面白さ。
菅田将暉が憎めない人懐っこい馬鹿を好演。セリフの間の取り方と表情が上手い。ちょっと『そこのみにて光り輝く』の拓児を思いださせる。

ただ見ているうちに「根本的にこれを映画にする必要があるの?」って疑問が湧いてきた。
あまりに大きな物語、登場人物の成長や変化が描かれないからだ。
この映画は基本的に一話完結の8つのエピソードから構成されている。そうした作品構造上、各話の冒頭にはまた元通りの状態に戻ってしまい、大きな作品的前進がない。
たしかに「前進しなさ」を楽しむエンタメも存在するが、それを映画の長尺でやるのはやはり冗長で退屈に感じてしまった。(後にテレ東深夜ドラマになったようだが、明らかにその方が向いている。)
途中でウツミが口にする「だらだらだべるだけの青春があってもええんちゃうんか」を物語の幹にして構成したほうが面白くなったのではなかろうか。
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