ブラックユーモアホフマン

ベイビー・ドライバーのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.0
まさにカーアクション版『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。重なる要素が非常に多かった。
エドガー・ライトとジェームズ・ガンはプライベートでも仲が良いみたいだけど、ライトは先にやられちゃって悔しかったんじゃないだろうか。まして自分が降りたMCUで。
その腹いせか、劇中かかる曲数は『ガーディアンズ〜』の数倍(笑)。終始忙しなく音楽が鳴り続ける。登場人物たちが音楽について語り合うシーンも多く、映画全編が音楽への愛とリスペクトに満ちている。
これまでのエドガー・ライトの映画のサントラも、コアな曲が多くて監督のこだわりを感じるものだったけど、今回はそのエドガー・ライトの音楽愛が本格的に爆発。

また、映画愛もこれまで通り炸裂。様々な車映画、犯罪映画を想起させたし、単にオマージュだけに終わらず、この映画自体が名作映画のような風格を漂わせていた。それも今まで通りだけど。
オマージュしながら単なるモノマネ映画、映画大好き映画に終わらず、その一作品としての完成度もしっかり高く、オマージュを捧げる名作映画と肩を並べるほどの傑作に仕上げてくるのがエドガー・ライト。

超カッコよくて楽しかった。けど、ラストだけちょっと不満というか、もっとすごい、カッコいいラストを期待したかな。
音楽で例えれば、1番、2番、すごくカッコいいけど、3番の大サビがいまいち盛り上がり切らなかった、みたいな。
とは言え、期待通り超良かったです。
映画館が満席近くて、パンフレット並ぶ列も長くて、サントラは売り切れてて、っていうのも嬉しかった。
これでやっとエドガー・ライトは日本でもメジャー監督になれたかな。
次回作以降はきっと"『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督最新作"って宣伝文句が付くんだろうな。