LilyWat

バービーのLilyWatのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

え、めちゃくちゃ刺さった。

これキラキラ港区女子向け?フェミニズム強めの映画?やっぱり小さい女の子も楽しめるポジティブな内容?ってあんまり予習しないままポップコーンつまみながら観に行ったけど、がっつり泣いてしまった。

なに、バービーで育った”BBA”の為にある映画じゃん?
(=日ごろ頑張ってるバリキャリの女性に観てほしい)

キラキラのファッションと音楽と色味とコミカルな絵面に乗せられてなんとなく「マーゴットロビーかわいい〜」ってふわっとした感じでも観ていられるけど、終始二面的に捉えられるような表現があって皮肉的。

いや、バービーの持ち主だったママと同じ世代の私からしたら、キラキラの部分なんか「どーせなんか後でどんでん返しあるんやろ」って構えてみてたし、その通り物語が進んでいって現実見せられる感じ「それな」って感じで刺さるし、最後はママキャラに感情移入しまくりで泣いてしまったわ。

まさかバービー人形の制作会社、歴代たった2人しか女性がいなかったなんて。(これ事実?)

そんな、おっさん達が作った押し付け的な理想像(スタイルもファッションも最高で、家事も仕事もパーフェクトにこなす女性)を幼少期から受け取ってしまっていた昭和世代が今になって経験している「現実とのギャップ」。
この、バービーになれと、社会から求められて必死になって努力をして彼女を演じてきて、幸せが保証されていたはずなのに、なんか違う、時代が「もうそれダサいよ、現実見ろよ」って翻してきてついていけなくて目眩のする感じ。

娘の方は、生まれた時から新しい世代の感覚で生きてるから、バービーなんて完璧を押し付けるような偶像はダサいって感じで門前払いだったし、やっぱりこの映画は、それを呪いのように信じてしまっていたあの時代を生きていた女性に向けた作品なんだと思う。

これは大衆向けのようで刺さる層かなり限られてる気がしたな。

あと、フェミニズム強めでカップルで行くと別れるとかで話題になってたけど、個人的にそこについては男性の葛藤もフェアに描かれていた感じがした。
ケン(男)にもケンなりの自尊心があるよな、バービーワールドではmatriarchyがいきすぎて、女性が家父長制で感じる葛藤をケン達が感じてしまってたよねって。

観た人それぞれ受け取るメッセージが違いそうだし、色んな映画のオマージュが詰まっていたと思うし、観賞後あーだこーだ言うのも楽しそう。
LilyWat

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