このレビューはネタバレを含みます
バービーランドが過去販売された商品で構成されていたり(シャワーもお湯が出ず、コップは空でプールは平面)、移動は手で移動させるように浮かんだりといっただし、最終的には人形のキャラクターに囚われずに自身であるがゆえに肯定されるというメッセージになっていくという意味で"バービー人形の映画"としてすごい好きでした。
全方位をいじる映画だけど、学歴社会にケンが"うまく運営できてない"といったり、"ケンはビーチじゃない"といったりするあたりは、多少なりともそれでアイデンティ得ている側としてはうっとなりますね。
バスを待ってる高齢の女性に美しいというシーンはそれ自体もいいけど、その後の公園のヘテロカップル(?)や遊ぶ少女たち、男性同士の友人、悲しむ男性といった人々は Real World の多様性と複雑さといったものを感じてスゲー好きなシーケンスでした。
ただ、メッセージとかは好きだったけにケンに投票させないっていう"勝ち方"とアランを持て余してたのはなかなか残念っすね。
前者はバービーランドっぽい(=男性社会のミラーリング)過ぎて映画のテーマにそぐわないんじゃないかと… ”ケンはケン”のくだりを先にやって、同意のうえでバービーとケン双方の投票であの着地だったら好みだったような気が、素人考えですけど。
後者はアランが過剰な男性社会に合わないと感じた人のポジション(こういう人って結構多い気がする)なのかはわからないですけど、ケンの友人で一種類しかいないっていうのはこれ以上ないおいしい立場だと思うんですけど、あんなに空気なのはなんか悲しいっすね…
