Hoshi

バービーのHoshiのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.5
見た当時、とても良かったんだが自分の中で思いが交錯しすぎて素直に書けなかった。

正直言って最高だったし、このテーマをコメディで明るくやってくれたのがまずよい。私にはケンが実社会での女性の立場に見えて、今の社会は女性にスポットあててるけど、どちらともなくリスペクトを怠れば立場は変わり相手を尊重しないことはあるのだという警鐘に見えた。バービーがキレイゴトの中でケンを鼻先で相手にもしてない感じが男と女とか関係なく、二つの関係をフラットに見せていると思った。うーん、まだ上手くいえない。

とはいえ、会社の役員が全員おじさんでキモいと自覚しながら女の子のために頑張りたいピュアさも持ちつつ(よく映画の中でのこの扱いを会社が許したよね)、悲しくも当然ズレたセンスで推し進める哀れさとかは、男しかいないのになんとか女性社員を獲得しようと頑張ってズレたアピールしてる悲しき会社のようで、不愉快ながらも刺さる人はいたんじゃなかろうか。ギターのくだりとか、そこまで男性を馬鹿にしなくても…なんならちょっとかわいいがな、と思いつつやっぱりおもろい(笑)女子目線の男性ステレオタイプが炸裂してて、それもまた男も女もお互いに似たことやってんだよなーって冷静さが投げかけられてると思った。男性側は図星なのか聞いてみたい笑

個人的にはバービーが女の子に正面切って否定され傷ついても、そこでも返しにバービー本来のポジティブさと優しさがあったのが、自分では想像できないリアクションですごくよかった。
お母さんの最後の演説も、あの長さの中でそれを上回る情報量が凝縮されていて、うわー言ってほしいことすべてカバーしてくれたよ、よくここまで端的にまとめたね!!!と感動した。当方、ジェンダー関係の活動を担当しているもので、日々感じていたもやもやを本当にみんな言語化してくれた。日本語字幕制作者にも賛辞を送りたいレベルだった。

でもね、男性女性の二項対立をしたいんじゃないんだよ。ケンの言うように、自分たちがいるということをわかってほしいんだ。あなた(男性)に認められることがゴールじゃないし、あなたは悪いとかそういうことを言いたいわけでもないのよ。でも、悪いけど社会の現実では男性がゲタ履いてきてたのは事実なのであって、そのことを知ってほしいんだ。当たり前すぎた無意識世界を変えるには、ざらついてもざわついても、まず意識しないといけないのよ。この映画は明るくハッピーにそれを発信していた。だから最高〜って思えたのだ。

あとは純粋に、バービーの風貌最高すぎないか。ルッキズムとかおいといて、かわいいもんはかわいいし、到底真似できないヘアスタイルとかカーリーとか、眼福であった。デュアリパかわいいし。
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